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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#4
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頭を下げるラムルの横で、カデアがぷりぷりと怒っている。
「いえ───ラムルが謝ることではないですよ。カデアも、そんなに怒らないでください。元はと言えば、眠ってしまった私が悪いんですから。迷惑をかけてしまって、本当にごめんなさい」
あの後、私が困っていることに気づいたジグとレナスが呼んでくれたらしく───ラムルとカデアが駆け付け、二人がかりでレド様を起こしてくれたのだけど────レド様の低血圧は、私が考えていたよりも重症のようだ…。
当のレド様はといえば、罰?として、私の代わりにお弁当を創っている。
時間がなくなってしまったため、手っ取り早く【創造】を駆使して、食材を料理に創り変えているのだ。
「ルガレド様───何で、オムライスとベイクドサンドだけなんですか。ちゃんと、サラダやスープ、フライドポテトとかフライドチキンとか、他にも創ってくださいよ」
「オレはカツサンドがいいです。それと、三日月型のフライドポテト」
「うるさい。我が儘を言うな。リゼの作ってくれたオムライスとベイクドサンドの何処がいけないんだ」
「リゼラ様が手ずから作ってくださったものなら、オムライスとベイクドサンドだけでも有難いですけどね」
「リゼラ様の手料理が食べられないのは、ルガレド様のせいじゃないですか。文句をつけたくもなりますよ」
何やらジグとレナスが茶々を入れている。
いつものようにじゃれ合う三人に苦笑しつつ────三人のいつもと変わらない様子に、私は秘かに安堵した。
厨房には、レド様と私、ラムルとカデア、ノルン───それにジグとレナスしかいない。
ディンド卿、ヴァルトさん、ハルド、セレナさん、ラナ姉さん、アーシャ、エデルは、すでに朝食を済ませ、地下調練場で鍛練に励んでいる。
エデルには鍛練の必要はないのだけれど、本人の希望により参加することになった。おそらく───皆の動きを見て、演技の糧にしたいのだろう。
昨日は鍛練を休んでしまったので、私も鍛練に加わりたいところだが、今日もその時間はなさそうだ。
レド様のお弁当創造が済み次第、私たちも朝食を済ませて────早々に行動を開始しなくては。
正直、レド様にはまだ休んでいていただきたい。
レド様は目覚められたばかりだし、魂魄の損傷についても詳しくは調べられていない。それを言ったら、ジグとレナスもだ。
だけど────ヴァムの森の件は急を要する。
私が泣き疲れて眠ってしまってから、ラムルとディンド卿が寝室を訪れて───地下施設の顛末に併せて、ヴァムの森の件もレド様に報告してくれたらしい。
レド様も一連の事情をすでに承知しているとのことなので───朝食のときに、私たちの行動指針を話し合うつもりだ。
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