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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#2
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らかだ。

「リゼラ様?」

 レナスの私の名を呼ぶ声に、私は分析結果から意識を戻す。

「いえ…、何でもない」

 感情を押し殺して、首を振ってそう応えたけれど───その仕種も声音も弱々しいものになってしまった。

 レナスが心配そうにしていたが、気づかない振りをして、私は再び眼下に視線を落とした。


◇◇◇


 その日、再びレド様の許を訪れることができたのは───昨日同様、夕食を済ませてからだった。

 あの後───しばらくレナスと共に集落を見張っていると、3つのBランクパーティー『黄金の鳥』と『暁の泉』、それに『リブルの集い』を引き連れたガレスさんが来た。

 運のいいことに───と言っていいのかは判らないが、ギルドの開業早々に冒険者同士の揉め事が勃発して、受付業務が滞ったために───ラギとヴィドが駆け込んだとき、まだ多くの冒険者が出かけられず、ギルド内に留まっていたらしい。

 集落の監視、ヴァムの森とその側の街道への立ち入り制限を、とりあえずレナさんたちに任せて───集落の確認をしたガレスさんと共に、私はギルドへと一度戻った。

 まずは───街道の先にある街への『被害の確認』と『警告』のために冒険者を派遣するに当たって、街道を通るのは危険なので迂回ルートの考案と指示───それと、商人ギルドにも確認と警告を(おこな)った。

 商人ギルドで確認したところ、やはり小規模の商隊や、行商人の都入りが例年より目に見えて少ないことが判明した。

 それから───集落の規模と皇都に近過ぎることの危険性の報告、対処を要請する文書を、ギルドマスターであるガレスさんの名で作成して、ガレスさんに皇城へと提出してもらい───私の方でも直接おじ様に注進したりなど、何やかんやで、お邸に帰り着いたときには、すでに日が暮れていた。


 レド様は────未だ目を覚まされていない。

 私は、ベッドの側に置かれたイスに座って、レド様の寝顔をぼんやりと眺める。その寝顔は安らかで────それだけが救いだ。

 私がお邸へ帰ったとき、白炎様は()うに帰られていて───結局、会えずじまいだった。

 ラムルによると、白炎様でも、レド様が目覚めない原因ははっきりとは解らなかったみたいだ。

 ただ───白炎様が仰るには、ジグとレナスがすぐに意識を取り戻していることから、おそらく魂魄に損傷を負っているせいではないだろう───と。

 それなら…、レド様がお目覚めにならないのは、やっぱり────

「…っ」

 瞬く間に胸のうちを覆っていく後悔の念を────今は押し(とど)める理由がなかった。

 ラギとヴィドは、昨日、ヴァムの森に向かったのが遅かったのもあって、昼休憩をとることなく
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