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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#1
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って、奥まで入り込んだら───大変なことになる。

 私は、確認と調査も兼ねて───ヴァムの森へ行くことを決める。ギルドに寄らずに真っ直ぐヴァムの森へと向かう方がいいだろう。

「ラギ、ヴィド───もう動ける?」
「ああ」
「大丈夫だよ」
「それなら───すぐにギルドに行って、さっき私に話してくれたことをガレスさんに報告してくれる?それと───私はヴァムの森に向かう。そのことも伝えておいて」

 ラギとヴィドは、表情を引き締めて頷く。

「ラナ姉さん、ラギとヴィドを南棟へ連れて行ってくれる?」
「わかった」


 ラナ姉さんがラギとヴィドを引き連れて、部屋から出て行くのを見送ってから────私は白炎様を呼ぶ。

 白炎様が淡い光と共に現れ、私の肩に留まる。

「おはようございます、白炎様。昨日は子供たちを護ってくださって、ありがとうございました」

<おはよう、我が神子よ。昨日のことなら…、礼は必要ない。我は───何もできなかった>
「いいえ、そんなことはありません。もし何かあっても───白炎様が子供たちを護ってくださると思えば、安心できましたから」
<そうか…>

 白炎様は私の言葉が嬉しかったのか、いつものように私の頬に頭を擦りつけた。その柔らかく滑らかな感触に思わず口元が緩むが、今はそれどころではないと気持ちを切り替える。

「白炎様、申し訳ありませんが───またお願いしたいことがあるのです」
<何だ?>

 私は───白炎様に、あの地下遺跡に施されていた禁術のことを説明して───レド様の状況を打ち明ける。

「どうか…、レド様のことを診ていただけないでしょうか?」

<ふむ───相分かった。それでは早速、共にガルファルリエムの小僧のところへ行こうではないか>
「すみません、白炎様。お願いしておいて申し訳ないのですが───私は、これから行かなければならないところがあるのです」
<そうなのか…。共に行けぬのは残念だが───仕方あるまい>

「ジグ、白炎様をレド様の許へお連れしてくれる?」

 私を心配して二人をつけてくれたラムルには悪いけれど────こちらからお願いしておいて、白炎様をお一人でお邸に向かわせるのは気が引ける。

「………リゼラ様のご命令とあらば」

 例の微妙な表情で姿を現したジグの頭に、白炎様が飛び移った。
 私は慌てて、白炎様に【結界】を施したが、ジグの表情は変わらない。

<不服そうだな、小童>
「………別にそんなことは」

 何だか、ジグに悪いことをしてしまったような気分だ…。

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