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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#1
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す、リゼラ様」
「…おはようございます、ラムル」
「旦那様は、まだお目覚めになられていないようですね」
ラムルはレド様を覗き込んで、そう呟いた後───再び、私に視線を戻す。
「リゼラ様、朝食の用意が調っておりますが────どうなさいますか」
「ぁ───ごめんなさい…、朝食のこと、すっかり忘れていた…」
レド様のことで頭が一杯で、失念していた。
今日はお弁当は必要ないから、私が朝食を作るはずだったのに。
「謝っていただく必要はございません───リゼラ様。本来ならば、これはリゼラ様の業務ではないのですから」
そう言ってくれたラムルに、私はただ
頭
(
かぶり
)
を振る。
確かに私の本来の業務ではないけれど────お弁当もしくは朝食を作ることは、自分で希望したことなのだ。
できないのなら、事前にお願いしておくべきだった。
「それで───どうなさいますか?こちらにお持ち致しますか?」
「いえ、ダイニングでいただきます」
朝食を作ってもらった上に、わざわざ、ここに用意させるのは忍びない。
「かしこまりました」
ラムルがいつものように優雅に一礼して、部屋を出て行くのを見送ってから────私は身支度をするために、のろのろと動き出した。
◇◇◇
朝食を終えて、寝室に戻っても───やはり、レド様は眠ったままだった。
白炎様かアルデルファルムに、視てもらった方がいいかもしれない。
食事を摂ったことで、少しだけ気持ちが落ち着き、そんなことを考えていたときだった────
≪リゼ!≫
不意にラナ姉さんの声が、頭の中に響いた。【
念話
(
テレパス
)
】だ。
昨日───ラギとヴィドが大ケガをして戻り、ラナ姉さんが神聖術で治したと報告を受けている。
ラナ姉さんは、二人の経過を見るためそのまま孤児院に泊まって、まだ帰って来てはいなかった。
≪ラナ姉さん?≫
≪よかった───起きてた…!あのね、ラギとヴィドがケガした件で、リゼに話したいことがあるそうなの。すぐに孤児院に来てくれない?≫
≪…解った。すぐに行く≫
私はそう応えると、すぐにラムルを【
念話
(
テレパス
)
】で呼び出した。
何だか────胸騒ぎがする。
昨夜は、レド様のことや地下遺跡の後始末で忙しなくて、流してしまったけれど───改めて考えてみれば、ラギとヴィドがケガをしたことに違和感がある。
昨日、エデルを連れて孤児院に行ったとき───ラギとヴィドは、“ヴァムの森”で採取をする予定だと話していた。
“ヴァムの森”は、皇都周辺に点在する5つの森の中では魔素が少ないため、魔物があまり生息しておらず、魔獣が現れることもめったにない。
そ
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