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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十五章―過去との決別―#16
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──計画を嗅ぎつけた者は誰だ?
計画を嗅ぎつけることができ───なおかつ皇王に“デノンの騎士”を動かすよう進言できる者は?
(…ルガレド皇子───か?)
それなら、ルガレド皇子は計画をどうやって知った?───計画に気づく切っ掛けとなったものは何だ?
(“双剣のリゼラ”────)
Sランカー冒険者という触れ込みの───ルガレド皇子の親衛騎士。
ゾブルが殺そうとした男を匿っているなら、その男から、ゾブルが息子の件でジェミナを恨んでいることを聴いた可能性は高い。
ゾブルはジェスレムに接触していた。そこから、ジェスレムが教会へ行くよう唆されたことを知って────魔獣を嗾けることは予想できなかったとしても、目的はジェスレムの暗殺だと考え────皇王に“デノンの騎士”を動かすよう要請したのだろう。
だが───そうすると、リゼラは男から得た情報を、ルガレド皇子に報告したということになる。
リゼラが、ゾブルから男を助けたのは───匿ったのは、悪用するためではなかった?
考えてみれば───ゾブルが殺そうとしていた男を助け出したという事実からしてそうだ。
リゼラは一人だったという。
ヒグスもペギルも剣術に関して抜きん出た才覚はないとはいえ、元騎士だ。ゾブルは武術は修めていないにしても、あの体格の割に、俳優をしていたせいなのか動きはいい。
リゼラは女の身で───たった一人で、大の男三人を相手取ったということになる。
そんな芸当は、武術を修め───きちんと鍛練を積んでいなければできるはずもない。
(まさか───ダズロの言っていたことが正しかったのか…?)
ウォレムは───言葉を交わすどころか会ったこともないリゼラという存在を、噂と偏見だけで思い描いていたことに気づき────愕然とした。
聞く耳を持たなかったのは、ダズロではない────自分の方だ。
頭に血が上っているダズロは、ウォレムの様子に気づかず────怒りの籠った言葉を言い放つ。
「お前は───自分の弟の死が…、あれは必要な犠牲だったと───そう言われて納得できるのか?!」
「っ!」
ダズロのその言葉は────ウォレムの心を抉った。
ウォルスが殺されたとき────実際、謝礼金という名の口止め料を持って来たベイラリオの使者から────さらには、実の両親からそれに近いことを言われた。ウォルスの死は必要なものだった────と。
この一連の流れは────救世主たるジェミナの身分を確かなものにするために必要なことだったのだ、と。
当然、ウォレムは激怒した。そんな身勝手な理屈など受け入れられるわけがなかった。そんなことのために、何故、自分の大事な弟が犠
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