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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十五章―過去との決別―#15
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いないと聴いて、少しほっとする。
「…ジェスレム皇子は、助かったのですね」
本当に────悪運が強い。
護衛や取り巻きの貴族は命を落とし、イルノラド公女は両腕を失くしたというのに、ジェスレム皇子は五体満足で助け出されたとのことだった。
「はい。“デノンの騎士”に護衛され、皇城へと戻りました。イルノラド公女は、貴族専用の施療院へと運ばれたようです」
「ゾアブラは?」
「ロウェルダ公爵の私兵に引き渡しました」
それを聴いて、私は安心した。
おじ様なら────ゾアブラのことも、ディルカリダ伯爵とドルトのことも、上手く取り計らってくれるだろう。
「ただ───ひとつ懸念が。ゾアブラを護衛していた二人の男も捕えるつもりでしたが───見当たらなかったのです」
「混乱に乗じて、逃げられた────ということですか?」
「おそらくは」
「そうですか…」
私は、後ろに控えているラムルへと顔を向ける。
「ラムル───捜索の手配をお願いできますか?」
「かしこまりました」
ラムルは、いつものように優雅な動きで一礼した。
◇◇◇
「二人とも、ご苦労様でした。それでは───夕食にしましょうか」
私は、カデアとエデルを労うと、皆に告げる。
本当はレド様の許に行きたいところだけれど────行ったら、きっと傍を離れがたくなる。
このまま、ここで夕飯を食べてしまった方がいいだろう。私が食事を終えないことには、ラムルもカデアも休めない。
「…リゼラ様」
「何ですか、カデア」
カデアに硬い声で呼び止められ、私は再びカデアへと振り向く。
「申し訳ございません、リゼラ様。私は、リゼラ様にエデルを必ず無事に連れ帰ると約束しながら────結局、危険に晒してしまいました。本当に申し訳ございません…」
悄然とそう謝罪するカデアに、私は目を瞬かせた。カデアの責任感の強さに、私は口元を緩める。
「いいえ───カデア。貴女は、よくやってくれました。エデルが自分の意志であの場に残ったんです。貴女のせいではありませんし───話を聴くに、エデルが残ってくれて良かったとも思っています」
エデルの冷静さが、カデアを助けてくれたみたいだし。カデアとエデルがお互いを補ったからこそ、ケガもなく無事に済んだ────そう思う。
「エデルは───貴女がどんなに促しても、きっとお邸へは帰らなかったでしょう。ゾアブラを死なせたくなかったようですから。だから───どうか気にしないでください」
それはカデアに向けた言葉だったが────反応したのは、エデルだった。エデルは、衝撃を受けたような態で呟く。
「僕が────ゾアブラを死なせたく
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