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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十五章―過去との決別―#14
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────今この孤児院にいる子供たちの大半がそれを希望している。
特に、ラギとヴィドはリゼラの騎士になることを目標に、ラムルに指導を受けているようだ。
「無理かな…?」
ミナが不安そうに訊く。ラナはちょっと考え込んだ後、答えた。
「そのときの状況にもよると思うし、わたしには無理かどうかは判らないけど───わたしはミナが一緒にやってくれるなら嬉しいよ。見習いでなくなったとき、ミナの決意が変わっていなかったら───本気で、リゼのお針子になりたいのなら、協力してあげる。だから───まずは、ケイナさんのところでしっかり修行して、技術を身に付けること」
「わかった!ありがとう、ラナ姉さん…!」
意気込むミナを、ラナは微笑まし気に見ている。
そんな二人の様子に、ラドアがほっこりしていると────不意に、幼い子供たちの悲鳴に似た叫び声が響いた。
「え、何かあったのかな…?」
ミナの顔から笑みが消える。
ラドアとラナは視線を交わして────立ち上がった。
「とにかく、行ってみましょう」
叫び声は、幼い子供たちの勉強スペースとなっている元待合室の方から聞こえた。ラドアを先頭にして、三人は足早にそちらへと向かう。
辿り着くと───幼い子供たちが、恐怖のあまりか泣きながら、遠巻きに何かを見ていた。
その何かとは────ヴィドを担いだラギだった。
二人とも地面を転がりでもしたのか、全身、土や草で汚れており───さらに、所々にできた切り傷から血も流れている。
ヴィドは気を失っているらしく、ラギもここまでは何とか帰り着いたものの、今にも倒れ込みそうな感じだ。
「ラギ、ヴィド…!」
ミナが顔色を変え、叫ぶ。ラナは、ラギとヴィドの姿に絶句して、立ち尽くしている。
「ミナ───子供たちをお願い。ラナ───ラギとヴィドの手当てをするから、手伝ってちょうだい」
ラドアは、この場の恐慌状態を治めるべく、平静な声音で───だが、しっかりとミナとラナに言う。二人は我に返ったようで、ラドアの言葉に頷いた。
ラナがラギとヴィドの許へと駆け寄って、ヴィドの腕を自分の肩に担ぎ───ラギとは反対側から抱えた。神がラナの肩から飛び立って、宙に留まる。
ラドアは、ヴィドを担いでいない方のラギの腕を取って支えた。
「ラギ、もう少しだけ頑張ってちょうだい」
年長の子供は皆、出払っている。ここでラギにまで倒れられてしまったら、運び出すのは至難の業だ。
もう意識が朦朧としてきているようだったが、ラギは頷いてくれた。
4人で連れ立って、よろよろと動き出しはしたものの───ラドアは何処で治療をすればいいか迷った。
この状態では階段は
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