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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十五章―過去との決別―#11
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と思ったのだが────その読みは当たったみたいだ。
ただ、この能力は魔力を相当使う。そう長くは行使していられない。
「レナス、遅くなってごめんなさい。ケガはない?」
「いえ、来てくださってありがとうございます────リゼラ様」
目元を緩め、レナスは首を横に振った。
そんなレナスに、私は微かな違和感を覚える。別に劇的に変わったところがあるわけではない。いつもと変わらないようで────でも、何かが違うような気がした。
レナスが、不意に【
遠隔
(
リモート・
)
管理
(
コントロール
)
】を発動させた。取り寄せたのは───私が創った対魔獣用武器である太刀だ。
月銀
(
マーニ・シルバー
)
の刀身に
聖結晶
(
アダマンタイト
)
の刃を施した【魔剣】────“
月虹
(
げっこう
)
”。
「申し訳ありません、リゼラ様。【聖剣】と競り合った折、いただいた“太刀”を損傷させてしまいました」
レナスが太刀を鞘から少しだけ引き抜くと、接触したと思われる個所が腐食して黒ずんでいた。それで、短剣で戦っていたんだ。
だけど、ふと疑問が湧く。折れたわけではなく────腐食?
「レナス、さっきは短剣で戦っていたよね。短剣に損傷は?」
「いえ、ありません」
【聖剣】と競り合ったにも関わらず、短剣には損傷がない?
レナスの短剣は、
星銀
(
ステラ・シルバー
)
製の【魔剣】だ。【月虹】に比べたら、質のグレードは低い。それなのに────何故?
「もしかして─────【
防衛
(
プロテクション
)
】のせい…?」
【月虹】は、魔力の刃を放つ───あるいは魔力を刀身に纏わせるために、【
防衛
(
プロテクション
)
】は施していない。
「【
防衛
(
プロテクション
)
】は、【聖剣】の攻撃をも防げる────ということ…?」
「いえ、それは違うと思います。オレの【
防衛
(
プロテクション
)
】では、あの【聖剣】の攻撃は防ぐことができませんでした。おそらく、リゼラ様が施す【
防衛
(
プロテクション
)
】だから防げるのではないか───と」
レナスの推論を突き詰めたいところだけど───今は、私が【
防衛
(
プロテクション
)
】を施した武具が【聖剣】と競り合えるという事実が知れただけで十分だ。
それよりも───魔物としての本能なのか、怒り狂ったように【
防御壁
(
バリケード
)
】を【聖剣】で斬りつける魔獣の存在を、どうにかするのが先だ。
「つきましては────リゼラ様。この“太刀”を修復して、【
防衛
(
プロテクション
)
】を施していただけないでしょうか」
レナスのお願いに、私は眼を瞬かせる。
【
防衛
(
プロテクション
)
】を施したら、魔力を纏わせることも放つこともできなくなる。
そうしたら────ただの太
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