暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十五章―過去との決別―#11
[3/6]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
きだった。
このことに思い当たっていれば────思い当たらなくても、おじ様に注進することを優先せずに、昨日のうちに【
最適化
(
オプティマイズ
)
】を済ませておけば────
そんな後悔に呑み込まれそうになったとき────固いものが床を抉る音が響くと同時に、足元が小さく揺れた。
反射的に視線を向けて────私は、レナスが魔獣と交戦中であることを思い出す。
レナスの援護に向かうはずだったジグは、魔術に囚われて動けない。レナスは、今────巨大化した魔獣と一人で戦っている。
前世の記憶が甦ったであろうレド様のお傍についていたい。ついてはいたいけど────レナスを失うわけにはいかない。
「…っ」
私は、もう一度、レド様に目を遣ってから────振り切るように視線を上げた。
ジグは蹲って、未だに頭を押さえている。強制的に魔術を中断することに不安を覚えた私は、ジグはそのままに────【
転移
(
テレポーテーション
)
】で、レド様だけを【
管制室
(
コントロール・ルーム
)
】へと移動させる。
「ノルン───レド様をお願い。それから、レナスと私の【
魔力炉
(
マナ・リアクター
)
】を繋げて」
───解りました、
主
(
マスター
)
リゼラ───
気絶しているレド様が現れたせいか、ノルンの声音は少し動揺しているように感じられた。
レド様を安全な所に送ったことで、ほんの少しだけ安心する。
ジグの周囲に【結界】を施すと────私は、レナスと共に戦うべく、駆け出した。
◇◇◇
「────っ聖剣…?!」
レナスの許へ向かいながら、【
心眼
(
インサイト・アイズ
)
】をもう一度発動させた私は、魔獣の持つ剣が【聖剣】であることに、思わず驚きの声を漏らした。
だけど───それなら、剣が魔獣の巨体に見合う大きさであることも納得できる。私の【聖剣】が刀へと変貌したように、あの剣も魔獣に合わせて大きさが変化したのだろう。
剣身が炎のように揺らめいて見えるのは、魂魄を纏っているかららしいが───その性能は私の【聖剣】と変わらないようだ。
とはいうものの───【聖剣】の性能は、まだ検証できていない。
こんなにすぐ、希少であるはずの【聖剣】と遭遇するなどと考えてもみなかったのだ。ましてや────競り合うことになるなど。
加えて───気になる点が一つ。魔獣の動きが巨体の割に素早いだけでなく、いやに理知的に思えることだ。
ディルカリド伯爵が造り上げた魔獣がいくら理性を失わず、知能が少し上がっているようだとはいえ───それでも、魔物から大きく逸脱するほどではなかった。
だが、レナスと対峙している魔獣には、今までになく知性が感じられた。
とにかく
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ