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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十五章―過去との決別―#9
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とは違い───魔獣の残りも少ない上に、仲間たち全員が、体調、魔力どちらも全快している。躊躇う理由はない。

 次いで、リゼラはここにはいないノルンに向かって告げる。

「ノルン───ラムルの【魔力炉(マナ・リアクター)】と【魔術駆動核(マギ・エンジン)】を私のものに繋げて」

───解りました、(マスター)リゼラ。配下(アンダラー)ラムルの【魔力炉(マナ・リアクター)】、【魔術駆動核(マギ・エンジン)】を、(マスター)リゼラの【魔力炉(マナ・リアクター)】、【魔術駆動核(マギ・エンジン)】へと【連結(リンケージ)】します───

 念のため、リゼラの魔力を消費することを控え───ラムルだけでなく、ジグ、レナス、カデア、ラナの【魔力炉(マナ・リアクター)】は本人の魔力で起動するよう切り替えてあった。

 ジグの【魔力炉(マナ・リアクター)】は、すでにリゼラのものに連結し直している。

「ラムル───ディンド卿の補佐をお願いします。魔力のことは気にせず、状況に応じて、魔術、神聖術、固有能力を使ってください」

 ラムルの魔力量は少ないため、自身の魔力だけでは術の発動はかなり限られる。特に、ラムルの固有能力は強力な分、魔力が必要で───魔力が全快の状態で短時間しか発動できない。

「かしこまりました」

 ラムルがいつもの優雅な仕種で一礼するのを見届けたリゼラは、仲間たち全員に眼を向けた。

「私は、レド様の許へ向かいます。魔獣討伐、伯爵たちの捕縛をお願いします。ですが───決して無理はせず、何かあったら、すぐに離脱してください」

 【管制室(コントロール・ルーム)】にはもうリゼラはいないが、支給した【ポーション】でしのぎ、後でリゼラに回復してもらうことはできる。

「ネロ───皆に何かあったら報せてくれる?」

 リゼラが何処へともなく問いかけると、リゼラの使い魔である黒猫が忽然と姿を現した。

「いいよ」
「ありがとう、ネロ。お願いね」

 首を傾げて応えた黒猫に、微かに口元を緩めてお礼を述べた後───リゼラは表情を引き締め直して、再び仲間たちに視線を戻す。

「それでは皆さん────後をお願いします」

 リゼラの言葉に、皆一様、主の命に応える決意を浮かべ、恭しく頷いた。


◇◇◇


 リゼラがジグを伴い、ルガレドの許へ向かって────しばらくして、(おびただ)しい魔獣の死体を乗り越えた3頭の魔獣が、こちら側へと辿り着いた。

 内訳としては───1頭はオーガ、2頭はブラッディベアだ。

 ディンドは、こちらに向かって歩いて来る魔獣たちに視線を留めたまま、ラムルに問いかける。

「ラムル、伯爵たちの動きは?」

 ラムルは
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