暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十五章―過去との決別―#8
[6/8]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
け出した後は、リゼラをも狙っていたようにディンドには見えた。
(もしや…、魔力量が多いから────か?)
魔物や魔獣は、魔力があるため、魔剣を知覚できるという話を聞いたことがある。魔力を感じ取れてもおかしくはない。
そこで、ディンドは不意に閃く。
(もしかして───あの4頭の魔獣たちは、セレナの魔力が減ってきたのを見計らって、前に出て来たのか…?)
ディンドはその疑問に捕らわれそうになったが、すぐに思考を切り替える。
今はセレナたちを救援に向かわねば────そう思い、ディンドがセレナたちの許へ向かおうとしたとき───セレナが膝をつき、それを見た2頭の魔獣が
徐
(
おもむろ
)
に動き出した。
ハルドが慌てて、セレナを抱え直して立ち上がらせる。
(まずい───!)
セレナが魔術を使えない今、ヴァルトとハルドだけでは、あの2頭の魔獣に敵うはずがない。
ディンドは走り出したが、巨大化した魔獣とではリーチが違い過ぎる。間に合わない────そう思った瞬間だった。
セレナたちの後方───ディンドにとっては前方から、眩い光の波が押し寄せて来た。それは、天井と床を覆いながら───セレナ、ヴァルト、ハルドを通り抜け、ディンドをも追い越し───すべての魔獣を追い越して、その向こうまで広がっていった。
(これは────【
管制室
(
コントロール・ルーム
)
】で見た現象と同じ────)
待ちに待った【
最適化
(
オプティマイズ
)
】の───【
最新化
(
アップデート
)
】の光だ。
一拍遅れて、そこかしこで光が膨張したかと思うと────光の洪水が、人も魔獣も空間も音も────すべてを呑み込んだ。
この光が収まったとき、修繕は終わっているはずだ。
そうすれば、リゼラが来てくれる。この光のように眩しいほどの存在感を放つ────もう一人の主が。
そんな安堵と希望を胸に、ディンドは瞼を閉じた。
※※※
圧倒的な光に呑まれ、目を瞑っていたハルドは───光が収束したことを感じ取り、瞼を開いた。
隣にいるセレナも、前にいるヴァルトも、こちらに詰め寄ろうとしていた2頭の魔獣たちも立ち止まり───ハルドと同じように、何が起こったのか理解できずに戸惑っている。
(もしかして、これが────殿下が仰っていた“修繕”なのか?)
この空間は何処も変わっていないように見えるが、あの坑道のような通路なら劇的な変化が見られるかもしれない。
「お嬢───何をやってる!今だ、魔術を撃て!」
ヴァルトの叫びに、ハルドは我に返った。
そうだ───今はそれどころではなかった。2頭の巨大化した魔獣を何とかしなければならない。
セレナも我に返っ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ