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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十五章―過去との決別―#8
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大化はしていないが────おそらく魔獣だ。

 魔物は、一族の存続のためか、高い魔力を持つ変異種を護ろうとして、その集団の中で弱い個体から襲いかかってくる傾向がある。
 この中で弱い個体───すなわち、魔物はすでに殲滅したと見ていい。

 そして、今交戦している一団の向こうに見える巨体化している数頭は、今交戦中の魔獣よりも力ある個体だと考えておいた方がいいだろう。

 魔獣の数に対して、こちらの人数は少ないが───リゼラがピアスに付与してくれた、自動的に体内の魔力を循環させる魔術【魔力循環】を発動させることにより、全員の身体能力が常人よりも向上している。ある程度は対抗できるはずだ。

 それに───先日のセレナの件を鑑みて、魔術を行使することがなくても、【魔力炉(マナ・リアクター)】を利用した方がいいだろうということになり───ディンド、ヴァルト、アーシャ、ハルドも【魔力炉(マナ・リアクター)】を起動しているため、使える魔力量も少しではあるが増えている。

 加えて───【魔術駆動核(マギ・エンジン)】も起動させて、単独で発動できるよう【身体強化(フィジカル・ブースト)】と【防衛(プロテクション)】を直接インストールしてあるので───ルガレドたちより発動できる時間はかなり短いし回数も少ないが、局所でそれらを行使できるのは大きい。


 ただ────それでも、ここにいるメンバーだけでは、すべてを殲滅するのは難しいとディンドは見ている。

 今交戦中の魔獣は援護があれば何とか単独でも渡り合えるが、背後に控える数頭は、1頭を討つのに数人がかりになるはずだ。
 ここにいる魔獣は、やはり理性を失っていないようなので、上手く立ち回らないと連携される。人数が少ないこちらは分が悪い。

 それに───武具に関しては、リゼラのおかげで刃毀れや損壊の心配はないが、セレナの魔力量には限りがある。セレナの援護がなくなれば、戦況はかなり厳しくなることは目に見えている。

 ここは、地道に数を減らしつつ───ルガレドが戻るか、リゼラが駆け付けるのを待つしかない。

 潜入前に、ディンド、ヴァルト、アーシャは自由に動き───ラムルとセレナが援護、ハルドはセレナの護衛を担うよう、ルガレドより予め指示を受けている。しばらくは、その指示通りの体制で大丈夫だろう。

 【魔力循環】での身体能力強化に伴い、思考の速度が上がっているディンドは、瞬くうちにそこまで考えを廻らせると、仲間たちに【念話(テレパス)】で告げる。

≪ルガレド様が戻られるまで、俺が指揮を執る。引き続き、任務を続行しろ。ハルド───ルガレド様が抜けた分、援護が必要になる。セレナを護衛しつつ、補助してくれ≫

 それぞれ了承する旨の【念話(テレパス)】が返って
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