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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十五章―過去との決別―#8
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皆が出払った【
管制室
(
コントロール・ルーム
)
】で、私は、【
最新化
(
アップデート
)
】のために、ただ魔素を施設に流し続けていた。
手持無沙汰なのは変わらなかったが────ソファを取り寄せて座る気にはならず、私は漫然と佇んでいた。
傍らにはノルンが、後ろにはジグが控えている。
レド様から、教会へ繋がる階段に回り込めそうだから潜入を開始すると連絡を受けたのが───約30分前。
カデアから、ジェスレム皇子が教会に現れたとの連絡が来たのは───約10分前。
地上とは断絶されているが、この地下施設内なら【
念話
(
テレパス
)
】は使える。
だけど、レド様の状況が解らないため、直接ネロに報せに行ってもらった。
ネロには、念のため、そのまま向こうに留まり───何かあったら、すぐに報せるように頼んである。
向こうの状況がどうなっているのか────リアルタイムで知ることができなくて、本当にもどかしい。
レド様の実力なら、魔物は勿論、魔獣になど後れを取ることはないと信じているけど────何だか胸騒ぎがした。
【
最新化
(
アップデート
)
】が、ディルカリド伯爵たちの拠点である区画に届くまで、あと5分程かかる。
早く、早く────そう念じるものの、当然、早まるはずもない。
「リゼラ様、落ち着いてください。ルガレド様たちなら、きっと大丈夫です」
私が焦燥に駆られていることに気づいたジグが、そう声をかけてくれ───隣にいるノルンが、それに続く。
「そうですよ、
主
(
マスター
)
リゼラ。
主
(
マスター
)
ルガレドが、魔獣やそこらの人間に負けるはずがありません」
信頼する二人にそう言われて、私は幾分か落ち着きを取り戻した。
レド様の側には、頼れる仲間たちもいる。二人の言う通り、きっと大丈夫だ────私は、自分にそう言い聞かせる。
「…そうだよね。ありがとう────ジグ、ノルン」
二人に感謝を込めて笑みを向けると、私は表情を引き締める。
【
最新化
(
アップデート
)
】が始まるまで───あと1分。
「ジグ───【
最新化
(
アップデート
)
】が済み次第、後をノルンに任せて転移するから、そのつもりでいて」
「かしこまりました」
※※※
ルガレドに後を任されたディンドは、魔物に愛剣を叩きつけながらも───周囲の状況を素早く確認する。
レナスは、ルガレドを護るために随従した。共に戦うのは、ラムル、ヴァルト、アーシャ、セレナ、ハルドだ。
対する魔獣・魔物は、ルガレドとレナスが行く手を遮る一団を殲滅してくれたおかげで────見たところ、残り20頭あまり。
今、ディンドたちが相手をしているのは、その強さから見るに、変貌や巨
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