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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十五章―過去との決別―#7
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いた瞼を開けた。


 烈しかった頭痛も消え───先程までは霞がかっていた思考は冴えている。そして────現状を思い出した。

「…っルガレド様!」

 自分の足元に伏している主君の名を呼び、膝をつく。

 どうやら気を失っているだけのようで、レナスは安堵したが───額に脂汗をかいているルガレドを見て、あることに気づいた。

 レナスは、おそらくあの魔術により、“前世の記憶”が甦った。それならば、同じことがルガレドにも起きているはずだ。

 すなわち、ルガレドにも“前世の記憶”が───セアラの語った、あの悲惨な体験が甦ってしまったということに他ならない。

(とにかく、安全な場所まで運ばなければ────)

 ルガレドを運ぶために腰を屈めたとき───天井が大きく軋み、ぱらぱらと細かな木片のようなものが降り注ぐ。

 何だか嫌なものを感じて───レナスは、急いでルガレドの上に【防衛(プロテクション)】を施して立ち上がる。

 警戒して数分も経たずに────レナスの嫌な予感は当たった。

 階段の手前の天井が開くように崩れ落ち、まるで吐き出されるごとく、魔獣が瓦礫と共に降って来た。

 これは───先程、ルガレドと追いかけていた魔獣に違いない。

 魔獣はまだ起き上がっていない。今のうちに討ち取らねば────レナスはそう考え、“太刀”を取り寄せ携える。

 【身体強化(フィジカル・ブースト)】を発動し、床を蹴ろうとした瞬間────レナスの背後から、眩い光の波が押し寄せてきた。

 それはレナスを追い越し、前方の魔獣をも通り越し───同時に壁や天井を覆い尽くしていったかと思うと、先程とは比べ物にならないほどの眩い光を迸らせた。

 あまりの眩しさに、レナスは眼を護るべく、目を瞑って腕で覆う。


 腕を外し、瞼を開けると────そこは、もう違う空間になっていた。

 天井の穴も、瓦礫も───階段すら消えている。先程までは石造りだった壁や天井も、レナスでは見当もつかない素材に変わっていた。

 階段が設えられていた場所はぽっかりと空き───全体的にかなり広い空間となっている。

 これは、【最新化(アップデート)】により修復されたということなのだろう。

 魔獣は、まだ立ち上がっていない。

 レナスは、魔獣の側に両手剣が転がっていることに気づいた。

 何だか妙なものを感じ、その剣を【解析(アナライズ)】しようと思ったとき────魔獣が起き上がった。

 魔獣は、その習性からか、その両手剣を拾う。

 人間では両手で扱わなければならないほど大きいものだが、魔獣の手にあると大振りの短剣にしか見えない。

「!?」

 すると────両手剣が光を発し
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