暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十五章―過去との決別―#6
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ルガレドは、背負った両手剣ではなく、ハルバードを取り寄せて構えた。

 レナスも、リゼラが創った対魔獣用武器である、一振りの“太刀”を取り寄せ、左手に携える。他の仲間たちもそれに倣い、それぞれ携えていた武具を手に取って構える。

 すると───魔獣や魔物が牽かれるように、こちらへと気を向けた。

 ここにいる魔物のほとんどは、オーガだ。
 武具を扱う魔物は人間の武具に惹かれる習性があるため、こちらに引き付けるというルガレドの目論見は、ある程度は成功した。

 仲間たちには、力を出し惜しみせず魔術や神聖術を使用するようにと、予め言い含めてある。危うくなったら、何を置いても【往還】で【管制(コントロール・)(ルーム)】に離脱するようにとも。

 【管制室(コントロール・ルーム)】にはリゼラがいる。生きてさえいれば、必ず回復してもらえるからだ。

「行くぞ…!」
「「はっ!」」
「「「はい!」」」
「応!」

 すでに【魔力結合】に加え【魔力循環】で強化しているルガレドは、さらに【身体強化(フィジカル・ブースト)】を発動させて駆け出す。
 同じく、【身体強化(フィジカル・ブースト)】を発動させたレナスとラムルが両脇を並走する。

 一拍遅れて───セレナと、セレナの護衛を務めるハルドをその場に残して───ディンド、ヴァルト、アーシャが駆け出した。

 セレナが突き出した杖に魔力を流し───“氷姫”を発動させて、魔術を放つ。ルガレドたちが交戦する前に、氷刃が魔獣あるいは魔物を襲った。

 広範囲に降り注いだ氷刃は、魔獣たちを一撃で倒すことはなかったものの、確実に傷つけ、足や手を止めさせるには十分だった。

 そこへ辿り着いたルガレドたちが、容赦なく武具を振るう。

 ハルバードの斧刃で3頭目の魔物の首を刎ねたとき────ルガレドは、階段に向かって奔る男の姿を眼の端に捉えた。

 あれは───ハルドの兄だ。

(まずい!階段への扉を開けられたら、魔獣が逃げ込む…!)

「ディンド!後を任せる!」
「はっ!」

 ルガレドはそれだけを言い置いて、階段の方角へ奔り出す。言わずとも、レナスが随従する。

 ハルドの兄は、壁に取り付けられたハンドルを回し始めた。
 がしゃがしゃ───という耳障りな音に伴って、壁が少しずつ持ち上がっていく。

 それを止めなければと気が急くが、ルガレドの前方を無数の魔獣あるいは魔物が阻んだ。

 ルガレドは、攻性魔術を使うべきか迷ったが────すぐにその考えを切り捨てる。

 ルガレドが行使すると通常より魔術の威力がかなり増すため、ノルンのサポートなしでは、まだ完璧には制御することができない。万が一のことを考えると、使うには仲間たちとの距離
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ