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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十五章―過去との決別―#6
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ルガレドは、背負った両手剣ではなく、ハルバードを取り寄せて構えた。
レナスも、リゼラが創った対魔獣用武器である、一振りの“太刀”を取り寄せ、左手に携える。他の仲間たちもそれに倣い、それぞれ携えていた武具を手に取って構える。
すると───魔獣や魔物が牽かれるように、こちらへと気を向けた。
ここにいる魔物のほとんどは、オーガだ。
武具を扱う魔物は人間の武具に惹かれる習性があるため、こちらに引き付けるというルガレドの目論見は、ある程度は成功した。
仲間たちには、力を出し惜しみせず魔術や神聖術を使用するようにと、予め言い含めてある。危うくなったら、何を置いても【往還】で【
管制
(
コントロール・
)
室
(
ルーム
)
】に離脱するようにとも。
【
管制室
(
コントロール・ルーム
)
】にはリゼラがいる。生きてさえいれば、必ず回復してもらえるからだ。
「行くぞ…!」
「「はっ!」」
「「「はい!」」」
「応!」
すでに【魔力結合】に加え【魔力循環】で強化しているルガレドは、さらに【
身体強化
(
フィジカル・ブースト
)
】を発動させて駆け出す。
同じく、【
身体強化
(
フィジカル・ブースト
)
】を発動させたレナスとラムルが両脇を並走する。
一拍遅れて───セレナと、セレナの護衛を務めるハルドをその場に残して───ディンド、ヴァルト、アーシャが駆け出した。
セレナが突き出した杖に魔力を流し───“氷姫”を発動させて、魔術を放つ。ルガレドたちが交戦する前に、氷刃が魔獣あるいは魔物を襲った。
広範囲に降り注いだ氷刃は、魔獣たちを一撃で倒すことはなかったものの、確実に傷つけ、足や手を止めさせるには十分だった。
そこへ辿り着いたルガレドたちが、容赦なく武具を振るう。
ハルバードの斧刃で3頭目の魔物の首を刎ねたとき────ルガレドは、階段に向かって奔る男の姿を眼の端に捉えた。
あれは───ハルドの兄だ。
(まずい!階段への扉を開けられたら、魔獣が逃げ込む…!)
「ディンド!後を任せる!」
「はっ!」
ルガレドはそれだけを言い置いて、階段の方角へ奔り出す。言わずとも、レナスが随従する。
ハルドの兄は、壁に取り付けられたハンドルを回し始めた。
がしゃがしゃ───という耳障りな音に伴って、壁が少しずつ持ち上がっていく。
それを止めなければと気が急くが、ルガレドの前方を無数の魔獣あるいは魔物が阻んだ。
ルガレドは、攻性魔術を使うべきか迷ったが────すぐにその考えを切り捨てる。
ルガレドが行使すると通常より魔術の威力がかなり増すため、ノルンのサポートなしでは、まだ完璧には制御することができない。万が一のことを考えると、使うには仲間たちとの距離
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