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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十五章―過去との決別―#5
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時間はありません。私は教会に行って来ます。先程も言った通り───貴女は、ここから決して出ないように。そして、子供たちをここから絶対に出さないように」
「解りました」
ラナは緊張した面持ちで、頷く。そんなラナの肩に、白炎が飛び移った。
<ふふん、安心するがいいぞ───小娘。ここには、この白炎がいるのだからな>
「わたしたちの代わりに餌になってくれるんですか?」
満足してくれるかな────と、ラナは中々恐ろしいことを言いつつ、首を傾げる。勿論、ラナは冗談のつもりのようだが、そういった人間の機微に疎い白炎に判るわけがない。
<そんなわけがなかろう!おぬしは神を何だと思っておるのだ!>
「冗談に決まっているじゃないですか。ほらほら、怒ってもただ可愛いだけですよ」
ラナは悪びれもなく笑い、揶揄うように言う。
幼い頃から何かと不遇を強いられ、神というものに期待していないラナは、どうも白炎をリゼラのペットのようにしか思っていない節がある。
これは早いところ、退散した方が良さそうだと悟ったカデアは、怒り心頭の白炎が言葉を発する前に急いで口を開く。
「では───子供たちのことは任せましたよ、お鳥様、ラナ」
<………任せるがよい>
怒りの発散を邪魔されて不服そうにしながらも、白炎はそう応えてくれた。
「あ、カデアさん───お気をつけて」
「ありがとう、ラナ」
ラナの言葉に頷いて、玄関へ向かって歩き出したカデアは────何かあったらネロに連絡するよう伝え忘れたことに気づかなかった。
◇◇◇
今、孤児院に残っている子供たちは、全員、昼食の準備のために厨房にいるので、玄関とその周辺には誰もいない。
カデアは、リゼラが創ってくれた腕時計の【
認識妨害
(
ジャミング
)
】の範囲を広げると、孤児院を出た。
一応、侍女服ではなく、庶民らしい格好に着替えてきてはいるが───万が一のことを考え、教会への潜入だけでなく、道中の段階から姿をくらませた状態で行くことにした。
孤児院がある貧困層が住むエリアは、ひっそりとしていた。
人は皆無ではないが───ほとんどいない。それが進むにつれ、段々と道行く人が増えてきた。よく見ると、家の中や庭先にも、ちらほらと人が見える。
貧困層では、子供も総動員して働かなければ日々暮らしていけないが───この辺りに住む者は、平民とはいえ、所得に余裕があるから、妻子は働く必要がないのだろう。
特に教会の近辺は高所得者エリアということもあって、ちょっと見回しただけで、何人もの女性や子供、あるいは母子の姿が目に入る。
それに───外に出ておらず、家の中で過ごしている人だっているはずだ。
(これは、マ
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