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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十五章―過去との決別―#1
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、休んでいてください」
「…リゼは何をする気だ?」
レド様が、ちょっと警戒したように返す。私は苦笑して答えた。
「そんな大層なことをするつもりはないですよ」
ここに座った状態で出来ることなど、高が知れている。
「ちょっと、確かめたいことがありまして」
「確かめたい?───何をだ?」
「地下施設の現在の状況や、【
転移門
(
ゲート
)
】の配置です」
私は、昨日、レド様に創っていただいたこの地下施設の【
立体図
(
ステレオグラム
)
】を投影する。現在進行中で、【
最新化
(
アップデート
)
】によって少しずつ修復されているが、それは反映させない。
そして、その隣に、この施設の【
記録庫
(
データベース
)
】に残っていた全体図を投影した。
「まるで塔のように見えるが───これは?」
レド様が、私が投影したこの施設の全体図を見て、困惑気味に訊く。確かに、レド様の言う通り、円柱を成した塔のように見える。
「これは、古代魔術帝国時代のこの施設の全体図です。地下───今、私たちがいる場所ですね。この地下階層に魔術や魔導機構の研究施設と工房があり、地上に当たる1階層から3階層までは、ここに勤める人たちの居住施設だったようです」
「なるほど、それで、所々に【
限定転移門
(
リミテッド・ゲート
)
】があったんだな。だが────何故“一方通行”なんだ?それなら、相互に行き来できる方がいいと思うが」
「おそらく、関係者以外の侵入を防ぐためではないかと思います。塔自体にもセキュリティーは施してありますが、何らかの方法で侵入される恐れがありますから。入り口となる【
転移門
(
ゲート
)
】は、塔の奥まったところに設置されて、厳重に管理していたようですね」
私は、レド様に答えながら───全体図ではなく、【
立体図
(
ステレオグラム
)
】を観察する。
「しかし、何故、ディルカリダ側妃はこの地下遺跡を一部だけしか利用しなかったんでしょうね?」
同じく、【
立体図
(
ステレオグラム
)
】を観察していたディンド卿が呟く。
「それは───多分…、修復できなかったからではないか、と」
「修復できなかった?」
「はい。この施設は、古代魔術帝国の特殊な建材が使われ───至るところに魔導機構が仕込まれているようですし。知識や多少の技術があっても、私たちのような特殊な手段でもない限り、修復もできなかったはずです。
ですから───大きく崩れ落ちて穴が開いてしまっている個所は、埋め立てるしかなかったのでしょう」
「なるほど…」
「この皇都が築かれている個所は、それほど崩れていないので利用できたのだと思います。一部、穴が開いている箇所がありますが───違う素材で整えてありますね」
あれ───これは階段?
よく見
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