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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十五章―過去との決別―#1
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ので、口を噤むことにした。


◇◇◇


 お邸のエントランスホールに設置してある【転移門(ゲート)】へと跳ぶ。
 そこには、レド様とレナス、ディンド卿、ラムル、そしてノルンが、すでに待ち構えていた。

 他の面々は、地下遺跡の【最適化(オプティマイズ)】が終わるまで、鍛練や通常業務をしながら、このお邸で待機することになっている。

 ディンド卿とラムルは、【最適化(オプティマイズ)】も立ち会いたいとのことなので、同行することになった。

「レド様、お待たせいたしました」

「随分、遅かったな」
「ええと…、ちょっと、その───白炎様に泣かれてしまいまして」

 幼い子供たちと畑の世話をしていた院長先生に挨拶した後、帰る前に白炎様に一目会っておきたいと思ってお呼びしたら────最近、【念話(テレパス)】もどきで会話するだけで、全然会いに行けていなかったので、頭に貼り付いて中々離れていただけなかったのだ。

 まあ、業を煮やしたジグが容赦なく剥がしちゃったんだけど。

「あの鳥野郎…。やはり、俺も行くべきだったな」
「ええっと…、とにかく、地下遺跡へと向かいましょうか」


 まずは、ディンド卿とラムルも連れて、あの地下の白い空間──ノルンによれば、【管制室(コントロール・ルーム)】というらしい──へ転移する。

 アルデルファルムには、昨日、私が調べ物をしていたときに、レド様が出向いて伝えてくださった。これから森の“結界”が一時的に消失することは承知してくれているので、連絡する必要はない。

「昨日感知した連中───ディルカリド伯爵たちだと思うが、誰も外には出ていないようだな。魔物や魔獣の数も変わっていない」

 【千里眼】を発動させたレド様が、ディルカリド伯爵たちがいる方向を視て────呟く。

 【転移門(ゲート)】を封鎖するまで、出て行ってしまわないといいけど。

「それでは────リゼ、ノルン、始めてくれ」

「はい、レド様。それじゃ、ノルン、始めようか。まずは───精霊樹の森の“結界”を解除」
「解りました、(マスター)リゼラ。“結界”を解除します」

 ノルンは頷くと───幼女の姿を解き、私と同年代の少女の姿へと戻る。
 ノルンの身体が淡く光を纏い、徐々にその光は強くなっていく。

「“結界”の解除が完了しました」
「ありがとう。それじゃ、次は───【(シンクロナ)(イゼーション)】」

 “結界の間”のときは、【(シンクロナ)(イゼーション)】することなく【最適化(オプティマイズ)】をしたけれど────今回はあのときより魔力が必要となるので、ノルンとの繋がりを辿って魔力を引き出すより、共有して直接魔力を流した方が時間
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