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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十四章―妄執の崩壊―#8
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るで聞き分けのない子を諭すように続ける。
「正直に言ってもいいのよ。貴女が、庇ってあげる必要なんてないのだから。
アレは、昔から、本当にどうしようもない子だったもの。お母様のネックレスを壊してしまったのをわたしのせいにしたり───わたしの一着しかないドレスを、侍女に命じて猫の寝床に放り込ませたり───わたしが傲慢で我が儘だと社交界で言い触らしたりして…、本当に性悪だったもの。
だから───遠慮することないのよ、ファミラ。正直に言ってちょうだい」
(お母様は、一体、何を───何を言っているの…?)
ファミラには、レミラの言っていることが理解できず────ただ困惑するしかなかった。
レミラはドレスをたくさん所持しているし───そもそも、使用人は誰もリゼラの言うことなどきかない。
それに───リゼラは社交界に参加していなかったのだから、レミラのことを言い触らす機会などなかったはずだ。
それから───父方、母方、どちらの祖母も、リゼラどころかファルロが生まれる前に亡くなっている。その“お母様のネックレス”というのは、一体、誰のものなのか────
(どういうことか、解らない────解らないけど…)
母の言うそれが、リゼラではないことだけは確かだった。
そして、ファミラは────恐ろしいことに、気づいてしまった。
(待って───お母様の話す“アレ”というのが───今までのも、リゼラのことではなかったのだとしたら────)
レミラが、リゼラを“我が儘で傲慢で嘘吐き”と断じたのは、リゼラが6歳のときだ。
神託を受けた後から、リゼラとは一緒に過ごさなくなったけれど、それまでは、兄であるファルロも交えて遊んだりしていた。
あの頃のリゼラは、我が儘でも傲慢でもなかった。むしろ、ファルロやファミラが我が儘を言っても、リゼラは笑って譲ってくれた。
もし、リゼラがあの頃のまま成長していたとしたら────
(嘘を吐いたのは────貶めたのは、わたしの方────)
リゼラに関して、ありもしないことを言い触らしたのは────本当にそういうことをやるような子だと信じていたからだ。
自分の言っていることは嘘だという自覚はあったけれど───罪悪感などなかった。
だけど、もし、そうでないのだとしたら、自分のしたことは──────
「ねえ、正直に言ってちょうだい。大丈夫よ、わたくしが皆に話してあげるから────貴女は失敗したわけではなく、ただ嵌められただけだって。貴女は…、無能だったわけではなく───本当は有能だったのに…、ただ性悪なあの妹に───
ア
(
・
)
ミ
(
・
)
ラ
(
・
)
に嵌められただけだって────」
レミラは、愕然とするファミラの様子に気づ
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