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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十四章―妄執の崩壊―#5
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、“祝福”のことも含めて、今回の一件に関するすべてを打ち明けた。

 おじ様もロヴァルさんも、私たちの事情は知っているので、話に制限をつける必要はない。

「これは────また…、大変な情報だね」

 おじ様は驚いたというより、沈痛な面持ちで呟く。

「ガラマゼラ伯爵は───まあ、いずれ事を起こすのではないかと思っていたから、遂に動き出したかという感じだけど」

 おじ様は、溜息と共に零すように続ける。ガラマゼラ伯爵の弟の件をおじ様が知らないはずはない。ガラマゼラ伯爵がいつか皇妃に復讐をするかもしれないと予想していたのだろう。

「最近、ジェスレム皇子に不審な男が接近していることは掴んでいたんだけどね」
「不審な男?」

片眼鏡(モノクル)をつけた派手な格好の小太りの男がね、ジェミナ皇妃の留守を狙って、ジェスレム皇子邸に出入りしているらしいんだ。貴族か裕福な商人のような身なりだけど、該当する者はいないし───後をつけさせても、いつもある地点で忽然と姿を消すらしくてね。目的や素性、背後にいる者が掴めなかったんだよ」

「ああ、その男なら───今日の午後も、ジェスレムと会っていたと報告を受けている。その男はゾアブラで間違いないとのことだ」


 レド様のその話は、私には初耳だった。私があの状態だったので、報告する時間がなかったのだろう。

 ラムルを手伝ってくれている精霊獣は───栗鼠型やネズミ型の精霊獣11頭だ。

 現在、【限定転移門(リミテッド・ゲート)】6ヵ所に冒険者ギルド、それからガラマゼラ伯爵邸に出入りする者を探るために表門と裏門それぞれに1頭ずつ忍ばせ───1頭は精霊獣たちとの連絡役として常時ラムルに、1頭は私たちとの連絡役としてシェリアの許にいる。

 だから、今日はジェミナ皇妃やジェスレム皇子を精霊獣に見張らせる余裕はなかったはずだ。

 そうなると────この情報をもたらしたのは、エデルしかいない。ジェスレム皇子と会っていたことや、それがゾアブラと断定できたということは───ジェスレム皇子の邸に入り込んで、人相が確認できるくらい近づいたということだよね。

 また───危険なことを…。

 身を護る術を施したものの───正直、エデルには劇団に戻れるまで危険なことは避けて欲しいのが本音だ。いや───劇団に戻ってからも避けて欲しいけれど。


「やはり、そうですか。会っていたところを見たということは───殿下の手の者は、皇子邸の中まで入り込めるのですか?」
「ああ」
「では、会話は聴けたのですか?」
「いや───邸に入り込んだときには、ジェスレムとゾアブラの密会はすでに終わって、挨拶を交わしているところだったらしい」
「そうですか…」

 ジェスレム皇子とゾア
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