暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十四章―妄執の崩壊―#4
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
その上に皇都が築かれ、森が広がっているらしい。

 そして────レド様の視線がある箇所に辿り着いたときだった。

「!?」

 崩れて埋め立てられたのではなく───造り替えられたように、その空間の一部が形を変える。それに加え、駒のようなものが複数、忽然と現れた。

 これは────何人かの人間と…、何頭もの魔獣だ。

「リゼの予想が当たったな。ここが────ディルカリドたちの拠点というわけだ」

 レド様が表情を険しくして言う。

「ええ」
「どうする、リゼ」
「そうですね…、出入り───または魔獣を放すことができないように、【転移門(ゲート)】を封鎖してしまいたいところですが────」

 中途半端に封鎖して、刺激するのはまずいな。やるなら、【転移門(ゲート)】すべてを一気に封鎖すべきだよね。

「ノルン、この地下施設を拠点登録して、【最適化(オプティマイズ)】することはできる?」
「はい、可能です、(マスター)リゼラ」

 問題は────魔力か。

 【索敵】だけで、レド様でさえかなりの魔力量を消費している。【最適化(オプティマイズ)】では、もっと魔力を使うのは必至だ。

 ちらりとレド様を伺うと────あ、反対なんですね。解ります。

「…ノルン、“結界の間”を【最適化(オプティマイズ)】したときみたいに、精霊樹の魔素を流用することはできない?」
「それはできますが───この地下遺跡は広大ですし、特殊な建材を使用していますから、修復には膨大な魔素が必要になります。そうしますと、“結界”が維持できません」

 あの森にはアルデルファルムがいる。それに、“デファルの森域”には、固定魔法【結界】を施してあるから────少しの間なら、“結界”が解除されても支障はないはずだ。

「その場合───“結界”が解除される時間はどれくらい?」
「不測の事態がなければ、半日程度になります」
「それは、つまり───【最適化(オプティマイズ)】が完了するのに、それだけ時間がかかってしまうということ?」
「その通りです、(マスター)リゼラ」

 半日────結構、長いな…。

「レド様、精霊樹の魔素を借りて、【最適化(オプティマイズ)】でこの地下遺跡を修復し───【転移門(ゲート)】を閉ざしてしまおうと考えているのですが、どう思われますか?」
「ああ───俺も、それが最善だと思う」

 それまで黙って聴いていたディンド卿が、口を開いた。

「ですが、ディルカリド伯爵や魔獣はどうするのですか?」

「封鎖して閉じ込めた状態にしてから、魔獣討伐───それから、ディルカリド伯爵たちの捕縛をするつもりです」
「その際は、ラナとエデルを除いた全員で事に当たる」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ