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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十四章―妄執の崩壊―#2
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がお互いを紹介したけれど、会話はこれが初めてなんだ。
「大丈夫だ。オレたちは、そんな胡散臭い奴に、仲間の情報を渡したりしない。他の奴らにも渡さないよう言っといてやるよ」
「ああ。このギルドには、リゼさんに助けられたって奴も多いし───みんな協力してくれると思う」
ドギさんとフェドさんがそう言ってくれ───残りのメンバーがそれに追随して頷く。彼らのその反応に、レド様は嬉しそうに口元を緩めた。
「ありがとう。よろしく頼む」
私のために頭を下げてくれたレド様のそのお気持ちに───快く応えてくれた『黄金の鳥』の皆の気持ちに、温かいものが込み上げてきて────私はまた笑みを零さずにいられなかった。
※※※
「ゾブル様────旦那様がお呼びでございます」
朝食後、部屋で時間を持て余していたゾブルは、ガラマゼラ伯爵家の家令にそう声をかけられ、安堵した。
この邸には、もう何度か滞在しているが一向に慣れない。
“当主の勘当された叔父”という触れ込みで滞在しているため、それなりの部屋を宛がわれているせいで、平民───ましてや長いこと流れ者であったゾブルには過ぎたこの環境は、落ち着けるものではなかった。
これまでゾブルは、用があるときだけこの邸に赴いていたが、レムトの一件から、街を出歩くことは控えた方がいいということで───ここ2日間、このガラマゼラ伯爵邸に留まっていた。
「伯爵、お呼びと伺いましたが…」
「ゾブル────急だが、これからジェスレムに会って来てくれるか」
家令が出て行きガラマゼラ伯爵に声をかけると、伯爵は挨拶する間も惜しいらしく本題だけを言葉にした。
「何かございましたか?」
いつもなら、事前にジェミナとジェスレムの予定を探ってから、ジェスレム一人が皇子邸にいる時を狙って会いに行っていた。
こんな急に言われるのは初めてだ。
「ジェミナが観劇に出かけた。夕方まで帰っては来ない。今なら、ジェスレムは一人だ」
ジェミナは今、ある劇団に夢中だ。ドルマを本拠とする割と大きな劇団で、看板俳優が結構な美男子なのだ。権力を使って、皇都で最も大きな劇場をその劇団のために空けさせたと聞いている。
その噂に、ゾブルの胸に込み上げるものがあったが────押し込めて、ゾブルは話の詳細を求める。
「一昨日、お前を邪魔した女が、ルガレド皇子の親衛騎士だと判明した。下手な横槍が入らないうちに、事を済ませなければならん」
あの女が、ルガレド皇子の親衛騎士────伯爵のその言葉にゾブルは目を見開いたが、そういったことは自分の領分ではないと思い直した。
そちらは、伯爵に任せておけばいい。
「…解りました。それでは────ど
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