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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十四章―妄執の崩壊―#1
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…?」

 レド様の呟きを聴いて───私は、レド様がエデルの生い立ちを知っていることと、エルと私の結論が正しいことを確信した。

「レド様はご存じないようですが────アルドネ王国は、4年前に政変が起こり…、王朝が交代しました。その際、禍根を残さぬよう、旧王族は傍系に至るまで処刑されたのですが────グルワイト公爵家の長男イーデルの行方だけが判らず────詳しく調べた結果、グルワイト公爵家は、長男を“忌み子”として酷い扱いをしていたことが判明し────新王朝は、出奔した長男の行方は追わないことにしたのです」

「リゼは、以前、アルドネ王国の宰相と知り合いだと言っていたが────もしかして、その政変に関わっていたのか?」

「ええ。その政変────新王朝の樹立に、僅かながら助力しました」

 その縁で、私はアルドネ王国の現宰相ザーラルさんと知り合った。

 ザーラルさんは、その僅かながらの助力を恩に着て────私がSランカーに昇進する際の推薦人も引き受けてくれた。

 エルとベルネオさんに驚く様子はない。

 アルドネ王国やその周辺では、その政変に“双剣のリゼラ”が参加していたことは、割と知られている。二人とも、その情報は掴んでいるのだろう。


「レムトが────忌み子…。あのグルワイト公爵家に生まれついてしまったというだけでなく────まさか、忌み子という業まで負っていたなんてね」

 エルが、何処か納得したように言う。

 だけど────私も腑に落ちた思いだ。だから…、エデルはあんなに危機感が薄いんだ。もしかしたら、生に執着が持てないのかもしれない。

「先程も悪名高いと言っていたが───グルワイト公爵家というのは、そんなに酷かったのか?」

「ええ。グルワイト公爵家は、王族の傍系だったので、王位継承権を有していたこともあり───選民意識が強く、以前の王族と共に、悪行を重ねていました。国民の血税で贅沢三昧しているくせに、何も還元せず───権利ばかり行使して、義務は果たさない。誰も裁くことができないから、公然と悪逆非道なことを行っていましたわ」

 エルの前世の時代でも、グルワイト公爵家の行いは相当酷かったようだ。

 まあ、4年前の時点でも、ちょっと聞きかじっただけでも気分が悪くなるような罪状ばかりで────かなり酷かったけれど。

「でも────レムトにとってみれば…、忌み子だったのは幸いだったのかもしれないわね。忌み子でなかったら────グルワイト公爵家の家風に染まって、今頃はもう処刑されてしまっていたかもしれないもの」

「…………」

 エルの言葉には一理あったが、私は素直に賛同できなかった。

 エデルがどう扱われていたか────私は調査結果を聞いたから、ある程度は知
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