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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十四章―妄執の崩壊―#1
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より早い時間だったが、お弁当を作り終えて、レド様と共に新しいお邸へ跳ぶと───そのことに気づいたラムルとハルド、そしてエデルの三人が出迎えてくれた。
レド様にも許可をもらえたことだし、丁度いいので、ここでエデルの腕時計に機能を追加してしまうことにする。
丁寧に腰を折って朝の挨拶をしてくれた三人に向かって、レド様に続いて挨拶を返すと────私は、エデルを呼び寄せる。
「エデル───ちょっとこちらへ来てもらえますか?」
「かしこまりました」
「左手をこちらへ」
私が言うと、エデルは躊躇いもなく、腕時計を嵌めた左手を私に差し出した。
相変わらず警戒心が薄いことが気になったが───何も言わず、私は【
遠隔
(
リモート・
)
管理
(
コントロール
)
】で昨日創っておいたものを取り寄せた。
「それは、何だ?
魔水晶
(
マナ・クォーツ
)
みたいに見えるが────」
「まさに、その
魔水晶
(
マナ・クォーツ
)
です。この中に、先程言った魔術が全部、落とし込んであります」
冒険者ライセンスであるコインを深く分析してから、私は【創造】で
魔水晶
(
マナ・クォーツ
)
も創り出すことが可能になった。
ちなみにエルドア魔石───【純魔石】もだ。まあ、
魔水晶
(
マナ・クォーツ
)
の方が性能がいいので、この先【純魔石】を創ることはなさそうだけど。
「それで───それをどうするんだ?」
「こうするんです」
私は、その───指の関節一つ分くらいの大きさの
魔水晶
(
マナ・クォーツ
)
を、エデルの腕時計の文字盤の上に置いた。
すると、
魔水晶
(
マナ・クォーツ
)
は文字盤に溶け込み、瞬く間に同化した。腕時計は眩い光を迸らせて、蠢くように振るえ形を少し変える。光が収まった後は、一つだったリューズが、四つに増えていた。
【
心眼
(
インサイト・アイズ
)
】で分析してみると、私の思惑通りに、腕時計に機能が追加されている。
機能を追加しようとする度に腕時計やピアスを借りると手間なので、古代魔術帝国の魔導機構を参考に、実験を兼ねて創ってみたのだけど────
「うん、成功したみたい」
私は、エデルに、追加された魔術の機能と、どうやったら発動するかを一つずつ説明していく。
「いいですか────危なくなったら、これで逃げるんですよ?」
私がそう締めくくると、エデルはちょっと驚いた表情を見せた。
「…貴女は、私が危ないことをするのは反対だと思っていましたが」
「勿論、反対ですよ。だけど、どんなに言い聞かせても、貴方には無駄でしょう?それなら────できるだけ、自衛の手段を持たせるしかないじゃないですか」
私が溜息と共にそう告げると、エデルの表情が何故か嬉しそうなものに替わる。口煩い私がようやく
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