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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#9
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妃は諦めるしかないが────ジェスレムとファミラは殺さなければ…)
ゾブルをジェスレムに近づけたのは、辞令式のときジェスレムとジェミナを確実に殺すための布石だったが────これを利用するしかあるまい。
最悪、ジェスレムは失敗したとしても────ファミラだけは殺さなければならない。世間と関わり、何か仕出かしてしまう前に────
(こんなことなら────ファミラをジェスレムの親衛騎士になどすべきではなかったな)
どうせ辞令式でジェスレムは死ぬのだからと────ファミラの本性を知ったダズロに相談されたとき、もう今更止められないと言い訳して強行したのが仇になってしまった。
思えば────ルガレド皇子の当初の親衛騎士候補であったダルバ=アス・オ・バルラナを惜しんだのが間違いだった。
ルガレド皇子の親衛騎士が、リゼラではなく───ダルバであったなら、こんな面倒なことにはなっていなかったはずだ。
(まあ、いい。あんな大法螺で簡単にごまかせると考えるような浅はかな娘だ。どうせ───大したことはできまい。だが───念のため、手を打っておくか)
ルガレド皇子には何の恨みもないが────こうなっては、仕方がない。ウォレムは、今回の件の罪をルガレドに被ってもらうことを決めた。
そうすれば────リゼラも共に始末できる。
もし、リゼラが何か口走っても、悪あがきとしかとられないだろう。
それに、リゼラはすでにイルノラド公爵家から除籍されている。ダズロに累が及ぶことはないから、リゼラが罪人となることは一向に構わない。
ダズロの娘たちを犠牲にすることに、ウォレムには何の躊躇いもなかった。
長女と次女────どちらも不出来な娘だったことに対してダズロに同情は覚えたが、ウォレムたちの計画によって、その娘たちが死ぬことになろうと罪悪感はない。
ダズロも娘たちを亡くせば最初は悲しむだろうが────死ぬのは不出来な娘である上に、長男は健在なのだ。
何だかんだ言ってすぐに忘れるはずだとウォレムは無意識に考えていた。
さらに言えば────自分の死んだ弟に対する感情とは違い、ダズロの娘たちへのその感情はすぐに忘れるような軽いものだ────と。
ダズロはそんな性質ではないと知ってるはずなのに────謝礼金という名の口止め料に目が眩んで、あんなに可愛がっていた次男が殺されても、抗議すらしなかった自分の両親と同様に考えていることに────ウォレムは自覚がなかった。
ウォレムの生家ガラマゼラ伯爵家は、エルダニア王国時代から続く家柄だ。
ガルド=レーウェンがエルダニア王国を瓦解させたとき、中立を保つと言えば聞こえがいいが、様子見をしていたことが幸いして貴族であり
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