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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#8
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ました」
私の問いに対して────エデルは悪びれもなく答える。その様子に怒りが込み上げ、それは言葉となって零れた。
「何て危険な真似をするんですか…!」
「大丈夫です。ジェスレム皇子に怪しまれるようなことはしておりません」
「怪しまれなくても、些細なことで目を付けられて酷い目に遭う可能性だってあったんですよ?!明らかに不審なゾアブラに声をかけたことといい───何だって、そう自ら危地に進んで行くような真似をするんですか…!」
ゾアブラはレド様を見知っていた。すなわち───この皇宮に出入りしている可能性が高い。ゾアブラに見つからないとも限らない。
「リゼ、そんなに怒ることはないんじゃない?この人だって早く劇団に戻りたいだろうし、事件の情報が欲しかっただけでしょう?」
私の剣幕が凄かったからか皆が唖然とする中、ラナ姉さんが取りなすように言う。
「ラナ姉さん───この人はね、盗賊に直に接してみたかったという理由で、殺人も厭わない凶悪な盗賊団に単身潜り込むような人なの。絶対、そんな殊勝なことは考えていない」
「ええっ?」
ラナ姉さんは、驚きの声を上げて絶句した。
「エデル───貴方は…、昨日のエルの様子に、何も感じなかったんですか?
あんなに貴方のことを心配して、無事だったことに安堵していたのに」
私は少しでも解って欲しくて言葉を重ねたけど────エデルは微笑みを貼り付けたままだった。
やっぱり────私の言葉では彼には届かないようだ。
「…もういいです。ですが────ここにいる限りは、やむを得ない場合ならともかく、自ら危険な真似をするようなことは決して許しませんから」
私は溜息を吐く。これ以上、脱線しているわけにはいかない。
話を戻そうとしたとき────不意にエデルに問われた。
「貴女も?」
「え?」
「貴女も────私の身に何かあったら…、心配ですか?」
「当たり前でしょう」
何を言っているんだろう、この人。心配でなかったら怒ったりしない。
気のせいか────エデルの貼り付けたような微笑みが、嬉しそうな笑みに取って替わったように見えた。
※※※
「旦那様、ご要望通り────エデルを連れて参りました」
深夜────ラムルがエデルを連れて、ルガレドの寝室を訪れた。
ルガレドの親衛騎士であり、エデルの雇用主であるリゼラはいない。先程まで護衛していたレナスによると───ノルンと共にベッドに入り、すでに就寝したとのことだった。
ソファに座すルガレドの正面にエデルが佇み、その斜め後ろにラムルが立つ。
エデルの前には姿を見せないようにしていたジグとレナスが現れ、ルガレドの後ろに並んで
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