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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#7
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た限り、6ヵ所も設置されていました。あれは、そうそう手に入るものではありません。それを踏まえると、あれは…、ディルカリド伯爵たちが設置したのではなく───元から設置されていたものを利用しているのはないかと、私は考ているのです」

「元から設置されているもの───ですか?」
「ええ。たとえば───古代魔術帝国の遺跡とか」
「なるほど…」
「もし、そうなら…、そこを───ディルカリド伯爵たちが潜伏場所、あるいは作業場所に利用している可能性もあります」

 私がそう言及すると、ディンド卿が賛成するように頷いた。

「それは、確かに───可能性がありますね」


「リゼ────もしかして…、遺跡の当てがあるのか?」

 レド様が口を挟んで、私に訊ねる。

「当てというか…、もしかしたら────という考えはあります」

「それは───お聴きしてもよろしいですか?」

 ディンド卿にそう言われて、私はちょっと躊躇う。何故なら、まだきちんと検証していない漠然とした考えだからだ。

 だけど────ここで、皆の意見を聴いてみるのもいいかもしれない。

「まず、所在としては、皇都付近にあるのではないかと思っています。設置された【限定転移門(リミテッド・ゲート)】は一方通行でした。1ヵ所ならともかく、出口だけをまとめてそう何ヵ所も、そんなに遠くに設置しないのではないかと思うのです」

「ですが、もし、あれが脱出用や逃走用だとしたら、なるべく遠くに設置するのではありませんか?」

 ディンド卿に指摘され、私は答えるために続ける。

「それは、可能性が低いと思います。設置場所は街道やその近くの開けた場所でした。それに規則性が見られるんです。追っ手を欺くための囮目的なら可能性はありますが、脱出用や逃走用ではないと思うのです」
「ふむ…、それは確かに…」

 ディンド卿は、納得したように呟いた。

「もしや、皇都付近にそれらしい遺跡でもあるのですか?」

 今度は、ラムルに訊かれる。

「いえ。この付近にそういった遺跡があるのは見たこともないし、聞いたこともありません」
「では…?」

「私は…、この皇都の地下に遺跡があるのではないか────と考えているのです」

 レド様を始めとした───テーブルを囲う全員の眼が、驚きに彩られる。

「地下に…?それは────何か根拠が…?」

 やはり、こういったとき率先して検証するのは、ディンド卿だ。

「根拠はあります。この皇城に張られた“防壁”らしきものです」

「“防壁”?そんなものがあるのですか?」
「ええ」

 以前、ネロが言っていた────“空間を隔てる何か”だ。

「【転移(テレポーテーション)】という魔術があります
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