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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#6
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により王のやる気が向上したとか、ディルカリダの内助の功だとか考えられはするけど…。
それから、気になる点がもう一つ。この王都に教会を誘致したという逸話の───教会が祀る“守護神ティルメルリエム”の聖堂を造り上げ、司教を招致したという下り。
この“聖堂”って───あの“神託”を受けた聖堂のことだよね。皇都の教会はエルダニア王国時代のものとは聞いていたけれど、このとき造られたんだ。
では────あの“神託”に使われた魔術式は?
あれは、いつ持ち込まれたのだろう────
「リゼラ様?」
レナスに名を呼ばれ、我に返る。そうだ、脱線している場合じゃない。魔力の分析をしなければ。
エルドア魔石を分析しようとして────ふと思いつく。
「ノルン、ディルカリド伯爵家について検索」
「了解。ディルカリド伯爵家について検索します…」
[ディルカリド伯爵家]
エルダニア王国時代から続く、魔術で身代を築いた名家。「エルダニア王国貴族名鑑―王国歴514年編纂版―」によれば、その始まりはエルダニア王国第31代国王バナドルの治世まで遡る。
バナドル王が制定した【参拝義務】で王都を訪れた始祖サリルが、偶然、教会を訪れていたディルカリダ側妃にその魔力の高さを見出されたのが始まりだという。魔術で功績を挙げ、叙爵に至った。恩あるディルカリダ側妃に敬意を表し、【ディルカリド】を家名とした。
騎士ガルド=レーウェンが腐敗したエルダニア王国を瓦解させ、レーウェンエルダ皇国を起ち上げた際、助力した功績で皇王となったガルドより子爵位を与えられた。武を尊ぶレーウェンエルダにおいて、長いこと不遇をかこっていたが、デノン皇王に重用され、伯爵となった。
3年前、嫡男がジェスレム皇子の反感を買って殺され、伯爵自ら抗議に出向くも、ジェスレム皇子の母であるジェミナ皇妃によって、ディルカリド伯爵家は取り潰された。
やっぱり───ディルカリダ側妃とディルカリド家は、関係があったんだ。
それにしても…、見出された場所が教会?
それに、この“参拝義務”というのは何───?
「ノルン、【参拝義務】について検索」
「了解。【参拝義務】について検索します…」
【参拝義務】
エルダニア王国第31代バナドル王が打ち出した政策。身分問わず、王侯貴族から奴隷まで例外なく、王都に建設した教会に必ず参拝することを義務付けたもの。
「バナドル記」によれば、生活の苦しい平民や、自分の所有する奴隷まで、王都への巡礼を課せられ、最初は反発があったようだが、旅費の補助金が出たことと、実力のある者はバナドル王やディルカリダ側妃の目に留まる好機となったことから、次第に反発はなくなっていったという。
バナドル王の三大功績
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