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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#5
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どうかも、どうにか確定できたらいいのだけど────

 今ある手がかりで、ディルカリド伯爵が関わっているか判断する方法…。

「……あ」

 一つだけある…!

「リゼ?」
「レド様、おじ様に注進する前に、ディルカリド伯爵が本当に生きていて関わっているかどうか───セレナさんの弟たちが関わっているかどうか、確かめてみてもよろしいですか?」
「勿論だ。だが────そんなことができるのか?」

 レド様は、疑っているというより、不思議そうに首を傾げた。

「ええ。こちらには有力な手掛かりがあります───エルドア魔石という」
「エルドア魔石で?」

「冒険者ライセンスは───自分の魔力を通せば、他人の魔力は受け付けなくなるようになっています。それは、魔力の質が人それぞれ違うからこそ可能なんです。このエルドア魔石は、魔力の塊です。この魔石の魔力の質を分析すれば、ディルカリド伯爵の魔力かどうか判定できるはずです」

「…どうやって、その魔力がディルカリド伯爵の魔力だと断定するんだ?」

「先程、冒険者ライセンスは他人の魔力は受け付けないと言いましたが───私は、例外を一度だけ見たことがあるんです。その冒険者は、弟と一緒に冒険者をしていたのですが、ライセンスを弟のものと取り違えて持ち歩いていました。
通常、ライセンスは持ち主が一定時間触れないでいると、休止状態になります。そうなると、評価などの書き込みができなくなってしまうんです。
ですが、その冒険者もギルドも気づかず、しばらく取り違えた状態のまま、評価の書き込みもなされていました」

 その冒険者は、私やレド様のように訳ありではなかったので、ライセンスに仕込まれていたのが魔力を認識するだけの魔道具だった。

 だから、ギルドの方もしばらく気づかなかったようだ。ちなみに名前も一文字しか違わず、余計に発覚が遅れたらしい。

「つまり────兄弟なら…、魔力が似ているということか?」
「その可能性は高いです。もし───魔力も、バドさんが言っていたオーガの角の模様のように、親子あるいは兄弟姉妹で似ているとしたら────」

 “DNA”のように、鑑定できるはずだ。

「そうか!こちらにはセレナがいる。エルドア魔石の魔力が、セレナの魔力と似ているのなら────ディルカリド伯爵あるいはセレナの弟たちが関わっていると判断できるな」
「ええ」

 私は、ラムルとカデアに顔を向ける。

「ラムル、カデア、実験に協力してください」
≪ジグとレナスも≫

 ジグは、ラムルとカデアの息子で───レナスは、カデアの弟だ。試すにはちょうどいい。

「かしこまりました、リゼラ様」

 ラムルが当然のように応え、カデアが笑顔で頷く。

≪了解いたしました≫
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