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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#5
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ムルへの確認と、周囲への認知のため、言葉にする。

「…ええ。さすが、リゼラ様がお連れになった者です。通常の業務なら───教えるまでもなく、任せることができそうです」
「そうですか。一応、雇用契約も交わしておいた方が良いですね」

 エデルなら大丈夫だとは思うけど、守秘義務を盛り込んで、【契約魔術】も施した方がいいだろう。

 雇用契約の書式はロイドから教えてもらっているし───これもノルンに手伝ってもらって、後で寝る前に作成しよう。

 それで───レド様に何と言われようと、給金も私の年金から出す。うん、そうしよう。

「…俺の執事では駄目なのか?」
「レド様にはラムルがいるではないですか」

 まあ、大邸宅を構える貴族家なら、家令の下に何人も執事を抱えていたりするけど。レド様の場合は、状況的にこれ以上増やすのは不自然だ。

 諦めたのか、レド様は溜息を一つ吐いて────ラムルに告げる。

「ラムル───皆をダイニングルームに集めてくれ。話したいことがある」


◇◇◇


「例の魔石の案件だが────俺は…、解決するために注力することを決めた。冒険者ギルドと連携して、積極的に調査し───相手が良からぬことを企んでいるというのなら、阻止するつもりだ」

 ダイニングテーブルを囲んで座る面々に、レド様は露にしている右眼に強い意志を湛えて、確りとした声音でそう宣言した。

「セレナ────ヴァルトから話は聴いているな?」
「はい。すべて聴いております」
「おそらくは…、お前の身内が関わっている。もし、対峙するのが辛いのなら────この件から外れるか?」

 セレナさんは、レド様に仕えたいと言ってくれたあのときと同じ───決意を籠めた双眸をレド様に向ける。

「…いいえ。父が関わっているというのなら、私が何もしないわけにはまいりません。どうか────携わらせてください」

「そうか、解った。────ヴァルト、ハルド、お前たちはどうする?」

「主殿が決めたというのなら、ワシは従うのみです。躊躇う理由などない」

「オレも…、同じです。オレの主は────ルガレド殿下とリゼラ様です。相手が以前の主だろうと、関係ありません」

 ヴァルトさんもハルドも、迷うことなく────きっぱりと応える。

 レド様は、ヴァルトさんとハルドの言葉に一瞬だけ口元を緩めたが、すぐに表情を引き締め直した。

「そうか。では、この件は────全員で取り組むこととする。忙しいところをすまないが、皆、協力して欲しい」

 レド様がそう言うと、ラムルを始めとした全員が、力強く頷いた────



 とりあえずは、情報の共有からということで────すべての情報を洗い出すように、全員に向けて順を追
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