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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#4
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とめて攫ってきたか───あるいは生ませているということ…?」
どちらにしろ、ぞっとする行為だ。
「オレも───実は…、一つ気になっていることがある」
バドさんの話から導かれる想定に寒気を覚えていると────今度はガレスさんが躊躇いがちに口を開いた。
「今期は、どうも───例年に比べ…、魔物の数が少ない気がするんだ。集落潰しの頻度は例年と同じくらいあるんだが…、規模が小さいのばかりな気がしてな」
「いや、ガレス───それは気のせいじゃない。オレもそう思っていた。例年より、確実に少ない」
バドさんまで確信しているということは────バドさんの言う通り、これはガレスさんの気のせいじゃない。
だけど────何故、今年は魔物の数が少ないのだろう。ディルカリド伯爵が、魔獣にするため魔物を攫っているから?
でも…、それだけで────ガレスさんが気になってしまうほど減る…?
「とにかく───今明らかな問題点と疑問点は解った。早急に調べることにしよう」
ぐるぐると考え込んでいると、レド様の言葉に遮られ、思考が冷静になった。今は────もっと情報を集めるべきだ。
◇◇◇
いつものように、持ち帰る3頭の魔獣の素材と魔石をアイテムボックスへと送り、レド様としばらく待っていると───まずバドさんが戻って来た。続いて、ガレスさんも戻って来る。
ガレスさんは、レド様にライセンスを渡して告げる。
「アレドは───今回の件で“星”が10個に届いた。昇進したいと思ったら、いつでも昇進試験を受けてくれ」
「そうか、解った」
早くSランカーまで昇り詰めたいところだが───Aランカーになると、招集に応える義務が生じる。
Sランカーになってしまえば、相応の理由があれば断る権利を与えられるのだけれど。
今、Aランカーに昇進したら───“大掃討”の参加を命じられるはずだ。レド様にそんな時間的余裕はないので、しばらくは見送るべきだろう。
レド様は、少し嬉しそうに、ライセンスを懐中時計へと仕舞い込んだ。
次いで───ガレスさんは私に、Sランカーのライセンスである
魔水晶
(
マナ・クォーツ
)
のコインを差し出す。私はそれを受け取った。
「…………」
そして、手の中の───古代魔術帝国の粋を凝らした魔導機構であるコインを見つめる。
「ガレスさん────冒険者ギルドは、魔術陣を作製したいと言っていましたよね?」
「ああ」
私は、顔を上げて────コインからガレスさんへと視線を移す。
「だけど…、魔術陣を書き込む魔石が手に入れられない────そういうことですよね?」
「ああ、そうだが…」
「それは────この|魔水晶《
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