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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#4
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ちらにしろ────ディルカリド伯爵は、それによって、罪のない無関係な人が犠牲となることなど考慮していない。
「ディルカリド伯爵関連については、セレナたちもいることだし────俺の方で調べさせる」
「解った。そちらはアレドに任せる」
レド様が告げ、ガレスさんが頷く。
「ガレスさん、魔獣の出現場所を教えてください。何か手掛かりがないか、私の方でも調べてみます」
【
心眼
(
インサイト・アイズ
)
】を使えば、何か判るかもしれない。
「そうだな。リゼなら…、オレたちが見落としているものを見つけられるかもしれない。後でまとめておく」
「お願いします」
ガレスさんは、何だか私を凄く信頼してくれているようだ。そのことに嬉しさと少々のプレッシャーを感じながら────私は返した。
「バドさんは、解体していて、何か───気づいたことや…、気になったことはありますか?」
バドさんが発言していないことに、ふと気づいて訊ねる。
バドさんは、少しだけ躊躇する素振りを見せてから、口を開いた。
「…実は、ちょっと気になっていることがある。どの魔獣も、牙がそれほど削られていなかったんだ」
「それは────どういうことだ?」
「魔物は、他の魔物を食します。魔物の皮は硬いので、魔物を食せば食すほど───魔物の皮を食い破ることで、牙が段々と削られて───細く鋭くなっていくんです」
レド様の疑問に、バドさんに代わって私が答える。
「それは───つまり…、あの魔獣たちは…、魔物を食べさせてもらっていないか────」
「あるいは…、魔物の子供を魔獣化させている────ということです」
もし、そうなら────魔物とはいえ、子供なら成体よりも捕獲はしやすいから?それとも…、魔獣化させるための魔力量の問題?
「それと────これは、確証はないんだが…、オーガの魔獣については、すべて兄弟なのではないかと思っている」
「何故、そんなことが解るんだ?」
「これは、長年解体してきて気づいたことなんだが────オーガの角はよく見ると、全体的にうっすらと模様があるんだ。最初は、皆、それぞれ模様が違うと思っていたが────集落潰しで一遍に数十頭解体したとき、同じ模様のものがいることに気づいてな。それも、一種類ではなく───模様に幾つかのパターンがあって、それぞれ同じものが数頭ずついるんだ。それで、もしかしたら、これは親子もしくは兄弟なのではないかと───な。
今回の魔獣たちの角も────模様が同じだったんだ」
「なるほど」
レド様は感心したように頷いている。長年の経験があるからこその鑑識眼だ。レド様が感心する気持ちが解る。
ただ…、バドさんの見解が正しいのなら────
「子供をま
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