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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#4
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分析や【
解析
(
アナライズ
)
】で当該事項に上手く引っかかるのを期待するしかない。
「これは────思ったよりも、大変な事態かもしれん…」
バドさんが眉をきつく寄せて、唸るような低い声音で呟いた。
「どういうことだ?」
それまで黙って聴いていたレド様が、バドさんに問いかける。
「お前やリゼは、単独でも魔獣を討伐できる。だが、そんな奴はそうそういない。だからこそ、パーティーやチームを組み、人海戦術で補う。今までだって、魔獣1頭を倒すのに、人を集めてやっと倒していたんだ。
それなのに───もし…、魔獣が徒党を組むようなことになったら────」
「考えたくねぇな…」
ガレスさんが応えるように言葉を漏らして、顔を顰めた。
「ですが────これは…、おそらく人為的なものです」
「そうだな。それなら────元凶を潰せばいい」
私が意志を込めて言うと、レド様が力強く続けてくれた。
ガレスさんとバドさんの眼から陰りが消える。
「…力を貸してくれるか?」
「当然だ」
「ええ、勿論です」
レド様も私も頷く。
漠然と止めなければとは思っていた。だけど────それが、確固たるものに変わる。
ジェスレム皇子やイルノラド公女のためじゃない。この皇都に暮らす民や滞在する冒険者のために────そして、セレナさんやハルドのために、ディルカリド伯爵たちを止めることを────私は決意した。
◇◇◇
「そうか…。それで────ディルカリド伯爵家は取り潰されたのか…」
エルドア魔石の線から、ディルカリド伯爵もしくは伯爵家に近しい者が容疑者なのは明らかだ。そのため、ガレスさんとバドさんに、動機であろうディルカリド伯爵家の事情を共有する。
加えて───セレナさんやヴァルトさん、ハルドのことも話しておく。
勝手に悪いとは思ったけれど────セレナさんたちは冒険者だ。何かあったら、ギルドの庇護を受けられるはずだ。
「確かに、それは何か仕出かす動機にはなりそうだが────もし、ディルカリド伯爵が生きていたとして…、魔獣を造って────伯爵は一体何がしたいんだ?」
ガレスさんが首を傾げる。
「それは────ディルカリド伯爵の復讐の焦点が、何処に定められているかによるな。ジェスレム本人だけなら、あれの行動を追って魔獣を襲わせるのだろうし────もし、皇家あるいは皇国まで復讐の対象となっているのなら、時期的に辞令式を狙って魔獣をけしかけるつもりなのではないかと思うが…」
「じゃあ、この放された魔獣たちは────」
「おそらく…、失敗作を廃棄しているか────実験でしょうね」
「…最低だな」
ガレスさんの言う通りだ。
ど
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