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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#4
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上京した貴族が顧客に多いはずだから、舌が肥えているだけだろうと、気にしていなかったんだが────」
「魔獣の肉は───内包する魔力量が多いほど、美味しい。それは───ご存知ですよね?」
私が畳みかけると、ガレスさんとバドさんが眼を見開く。
「……エルドア魔石を有する魔獣は────内包する魔力量が少ない、ということか?」
そう返したのは、バドさんだ。
「昨日の3頭だけでなく───この間のブラッディベアの魔獣もですが…、いずれも魔獣化しているにしては、内包する魔力量が少なく感じました」
ガレスさんもバドさんも、私が魔力や魔素を感じ取れることは知っている。
「魔獣は、通常───大量の魔素に侵されることによって魔獣化します。
ですが───あの魔獣たちは、魔獣化するほどの魔素を内包していなかったように思えるのです」
「なるほど…。だから────理性を失っていなかったんだな?」
バドさんは納得したように呟いたが、ガレスさんには俄かに納得できないらしく────眉を寄せた。
「だが───これまでの魔獣については、そんな報告は受けていないぞ」
「それは、単体だったからではないですか?魔物は理性を失っているわけではなく、ただ生存本能によって、人や獣を襲います。それを踏まえると───おそらく理性を失っていなくても、魔獣は人を襲うでしょう。魔獣と対峙した冒険者に、理性を失っているかどうかの区別がつくとは思えませんし、そもそも魔獣が理性を失っていないなどと考えもしないのではないかと思います」
「そうか───それも、そうだ…」
ガレスさんも、ようやく納得したような表情を浮かべ、頷く。
「…すると、どういうことになる?あれらは────自然に魔獣化したわけではないということか?ディルカリド伯爵家は…、何らかの方法で────魔物を魔獣化させているということか…?エルドア魔石を造るために…?」
「もしくは────エルドア魔石を造る過程で、魔獣化してしまうということなのかもしれません」
腕を組んで考え込むバドさんに、私は自分の見解で応える。
実は───魔石ができるメカニズムについては、解っていない。
魔力溜まりができて、それが凝固するという説が今のところ有力だけど、それなら一つの個体に1個しかできないのは不自然じゃないか───という疑問の声もある。
昨日の魔獣のように、魔石が複数内在する魔獣もいるにはいるが───本当に稀なのだ。
古代魔術帝国では明らかにされていそうだが────【
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】を直接検索することは不可能なので、調べることはできない。
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