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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#4
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その製法を秘匿している────それだけは、確かだったんだが…」

「三年前、皇妃によって────そのディルカリド伯爵家が取り潰されてしまった、と」

 レド様が代わって言うと、ガレスさんは硬い表情を浮かべ、続けた。

「ああ。だが、ここ最近───そのエルドア魔石が発見されるようになったんだ。それも────魔獣の体内から」

 ガレスさんたちも、このことを掴んでいたみたいだ。
 それなら────話が早い。

「つまり…、ディルカリド伯爵家は────魔獣の体内で…、そのエルドア魔石を造っていたということですか」
「多分な」
「ここで、そのエルドア魔石の話を持ち出すということは────昨日の魔獣の体内からも、エルドア魔石が発見されたんですね?」
「そうだ」
「あの3頭の魔獣の異常な行動は────エルドア魔石に何か関連があるのではないかと…、ガレスさんたちは、そう考えているのですか?」
「ああ、その通りだ」

「そう考える理由を教えてもらえますか?」
「魔獣の出現場所だ。サデュラの森やエギドの森の中で出現するなら解る。サデュラは魔素量が多いし、エギドは広いから見逃されやすい。だが、いずれも魔素がそんなにない場所や、街道に現れているんだ。しかも、森の奥から出てきたとかではなく、突然現れている」

 そういえば────3頭の魔獣のときも、ブラッディベアの魔獣のときも、街道だった。

「人工であるエルドア魔石を体内に持つ魔獣が、忽然と現れる────誰かが…、意図的に魔獣を放っている────ということですか」

 それは、ディルカリド伯爵への疑念が浮上したときに想定していたことだったけれど────改めて、こうして口にすると、背筋に寒気が走った。

「ああ。オレとバドは────そう考えている」

 さて───どう話を持っていくべきか…。

 当然、【心眼(インサイト・アイズ)】や【解析(アナライズ)】のことは───ガレスさんやバドさんといえど、明かせない。


「…あの魔獣たちは────私には、魔獣化すると失くすはずの理性を保っているように思えました」
「やはり、そうか…」

 あの場にいた者たちから一部始終を聴いて、ガレスさんとバドさんも同じことを感じていたようだ。

「ガレスさん、バドさん───ギルドは、魔獣の肉を買い取って、レストランや商会に卸していますよね?」
「え、ああ…」

 私の突然の話題転換に戸惑ったらしく────答えるガレスさんの歯切れが悪い。

「最近、卸した魔獣の肉について、苦情はありませんでしたか?
たとえば────魔獣の肉の割に美味しくないとか…、味が落ちているとか」

「ああ────そういえば、何件かあった。いずれも高級志向の相手だったんで、この時期は
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