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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#3
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スと共に、街中の適当な位置に跳び、そこから冒険者ギルドに向かって歩き始めたのだけれど────

 何だか、さっきからレド様が物静かだ。それに、ジグとレナスも妙に冷たい空気を発しているような気がする。

「あの…、レド様?」
「リゼは────随分、あの男と仲がいいんだな」
「え?」

 ……もしかして、レムトさんのこと?

 あ───そうか。私にとって、レムトさんは“演技の師匠のような人”でしかなくても、レド様には単に“私と親しい男性”に見えてしまうんだ。

 レムトさんが演技にしか興味がない人だと私は解っているけど、レド様はそうじゃない。

 どう説明すべきか話しあぐねているうちに───何故か、ジグとレナスまで言い出す。周囲に人がいないので、【念話(テレパス)】ではなく口頭だ。

「すごく気安い感じでしたよね、リゼラ様」
「オレたちには、もっと気を張っている感じなのに」

 ええっ?

「いえ、あれは───気安いというより、レムトさんは…、演技のことしか考えていないどうしようもない人という認識があってですね。対応が、つい雑になってしまうだけなんです」

「それは───気を許しているということではないのか?あの男たちを逃がすときも、俺たちなんかよりも余程、息が合っていたしな」

 レド様が、憮然として口を挟む。

「そんなことはないと思いますけど…」

 本当に、そんなことはないんだけど。
 どう説明しても、多分────この三人は納得しないような気がする。

 これ、どうすればいいの?
 何だか、物凄く厄介なことになってしまった。

「私は…、レムトさんとより、レド様との方が息が合っていると思っていますし───レムトさんよりも、ジグとレナスを信頼していますよ」

 ほとほと困り果てて────ただ、本心を言葉にする。

「それは───」
「それは…、本当ですか?」
「オレたちのこと、本当に信頼してます?」

 ジグとレナスが、身を乗り出す気配がした。

「本当ですよ」

 私が頷くと───ジグが、いつの間にか立ち止まっていた私たちが認識されないよう【認識妨害(ジャミング)】を広げ、レナスは【認識妨害(ジャミング)】を解いた。

 二人が、くらませていた姿を露にする。

「それなら、証明してください」

 ジグにそう言われ、私はさらに困惑する。

「…どうすればいいんですか?」

 すると、二人はにっこり笑った。

 あ、この笑顔────レド様が、ノルンに話を聴き出したときの笑顔にそっくりだ…。

「それです。それを、やめていただきたいのです」
「え?」

 意味が解らず、私は首を傾げる。

「リゼラ様の────その敬語ですよ」
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