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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#3
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レド様は、唖然とした声音で呟く。
「例によって、先代ベイラリオ侯爵が押し切ったらしいです。ジェミナ皇妃が、さすがに苦言を呈した祖父に、『とにかく、皇王の寝室で初夜を迎えれば、それで結婚は成立すると仰ったではありませんか。何がいけないの?』と返したというのは────皇宮の使用人の間では、あまりにも有名な話です」
「…そこまで────」
レド様は、言葉を切ったが────その後に続く言葉は言われなくても明らかだ。
「では…、ガラマゼラ伯爵の弟は────」
「…おそらくは口封じでしょう。先代ベイラリオ侯爵は、何とか醜聞を隠そうと必死でしたから。皇妃の寝室に賊が忍び込み、皇妃を護っての名誉の死とはなっておりますが────皇宮に勤めている者は、誰も信じてはおりません」
ラムルがそう話を締めくくると────室内に、沈黙が降りる。
「……話は解った。では────そのガラマゼラ伯爵の周辺を調べてくれ」
レド様が沈黙を破り、沈痛な面持ちでラムルに命じる。
「かしこまりました」
ラムルはレド様に向かって一礼した後、ちらりとレムトさんに眼を遣る。
「こちらの方は、どう致しましょう?」
レド様が答える前に、私がラムルに答える。レムトさんを匿ってくれるよう頼んだのは、私なのだ。私が負担を負うべきだろう。
「レムトさんは、一時的にファルリエム子爵家の使用人として扱います。ですから、レムトさんの諸経費に関しては、私に請求してください。
それと───レムトさんのことは、保護するだけに留まらず、ラムルの補佐として使ってください」
「私の補佐として───ですか?」
「ええ。レムトさんは、執事や侍従の経験がありますので、通常の業務ならある程度はできるはずです。────できますよね?レムトさん」
「…頑張ります」
私が有無を言わさないよう笑顔で話を向けると、レムトさんはお馴染みの苦笑いを浮かべた。
「……随分、信頼していらっしゃるようで」
あれ、心なしか───ラムルの声が低い気がする。もしかして、レムトさんが信用できないのかな。
「レムトさんは、これで有能ですよ。ちょっとアレなところもありますが、ウォイドさんもエルも信頼しているくらいですし」
「………そうですか」
私の物言いでは説得力がなかったのか────ラムルは何だか納得しかねているような感じだ。
まあ、でも、接しているうちに、レムトさんが信用に足る人物だと判ってくれるだろう。
「ラムル、諸経費の請求は俺に回せ」
「かしこまりました」
あ───やっぱり、駄目だったか…。
◇◇◇
レムトさんをラムルに任せた後────レド様と私、それから姿をくらませたジグとレナ
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