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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#2
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・》ということは────病死や不慮の事故という可能性は低そうだ。

「その親切な騎士の名は聞いていますか?」
「いえ、そこまでは…。ただ────そう…、確か貴族で───伯爵だとか言っていたような気がします」

「伯爵の身分を持つ騎士……」

 そして、19年前の時点で、すでに───自身の弟が、ジェミナ皇妃から、ゾアブラの息子と同じような被害を受けている。そこまで判っていれば、調べることは可能だろう。


◇◇◇


「それで────レムトさんの身柄についてなんだけど…」

「やっぱり、狙われる?」
「多分。何せ、殺そうとまでしちゃったから────このまま、放っておくとは思えない」

 私がそう答えると、エルが溜息を吐いた。

「舞台は代役を立てるとしても────レムトを匿う余裕はないのよね。何せレムトは戦えないし、レムトや他の戦えない団員を護りながらとなると、ね」

「ベルネオは、レムトを匿うのは無理か?」
「うちでも、難しいですね…」

 ベルネオさんも、レド様の言葉に申し訳なさそうに首を振る。

「リゼ、孤児院で預かるのはどうだ?」
「いえ、それはやめた方がいいかもしれません。あの三人に私の姿を見られてしまっていますので────私の特徴から、もし冒険者としての私を嗅ぎつけられたら、孤児院にも結び付けられてしまう可能性があります。孤児院には、おいそれと侵入できないようにはなっていますが────街に出入りする子供たちに付け入られてしまったら…、防ぐのは難しいですし────」
「そうか…」

 レムトさんには悪いが、子供たちを危険に曝したくない。

「レド様────レムトさんを、お邸で匿っては駄目でしょうか…?」

 使用人部屋はまだ空きがあるし、仲間が増えた今なら、一連のことが解決するまでレムトさんを匿う余裕があるはずだ。

 レムトさんには、もうレド様のことも魔術のことも明かしてしまっている。
 それに────【心眼(インサイト・アイズ)】で視ても、レド様に仇なす心配もない。

「やはり、それしかないか」

 レド様は、あまり気乗りがしないようだ。我が儘を言ってしまったかな…。

「…これ以上、リゼに関わる男は増やしたくなかったんだが────仕方がない」

 ああ───そういう理由…。
 レムトさんにはそんな心配はいりませんよ、レド様…。


「よろしいんですの?ルガレドお兄様」
「ああ」

 心配そうなエルにレド様が頷くと────レムトさんは双眸をネロのように輝かせる。

 レド様を、間近で観察するチャンスだとでも思っているのだろう。さすがウォイド劇団の俳優────転んでもただでは起きない。

「レムトのこと────よろしくお願いいたします
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