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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十三章―逆賊たちの持論―#2
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─解散しましてね」
「解散?────何故?」
「ゾアブラの一人息子が亡くなったからです。ゾアブラは嘆き悲しみ───もう劇団は続けられない、と。私たちも慰めたり励ましたりしたんですが、ゾアブラの悲しみは深く…、結局、失意のまま、ゾアブラは劇団を解散させました」

 息子を亡くして、悲しみに暮れる父親────まるで、ディルカリド伯爵のようだ。この符合は、おそらく偶然じゃない。

 そうか────今日、レド様がシャゼムさんの依頼を受けることになったのは、このため────レムトさんを助けるためだったんだ。

 そして、この話を聴くため────

「ゾアブラさんの息子さんは────何故…?」

「ゾアブラの息子は、女優をしていた母親に似て、大層な美男子でしてね。────観劇に訪れた皇妃に気に入られてしまったんです」

「!」

「皇宮に連れて行かれ───ゾアブラは息子を取り戻そうとしましたが、小さな劇団の団長ではどうしようもなく、徒労に終わりました。
地方を巡って、数ヵ月後に皇都に戻って来たときには────ゾアブラの息子は、すでに教会の無縁墓地に葬られていました」

「………」

 何て言えばいいのか解らなくて立ち竦んでいると────いつの間にか、レド様が傍にいた。

「リゼ───終わった」

 レド様の言葉に、私は眼を見開く。あの男たちが逃げて、まだそんなに経っていない。

「…早いですね」
「ああ。そのことは後で話そう。────それで、その男はウォイド劇団の者なのか?」
「はい。レムトさんといいまして、ウォイド劇団の俳優さんです」
「初めまして、レムトといいます」
「俺は───アレドだ」

 レムトさんは、興味深げにレド様を見ている。彼は、人間観察が好きなのだ。演技の糧にするらしい。

「アレド、レムトさんはこのままにしていては────おそらく危険です。また狙われる可能性があります」
「えっ、ど、どういうことですか…!?」

 レムトさんが焦ったように口を挟む。

「それについては、後で話します。まずは場所を変えましょう。アレド、ベルネオさんに場所を借りてもらえますか?」
「解った」

 レムトさんに視線を戻すと────レムトさんは未だに狼狽えているような感じだった。

「レムトさん、今日はウォイドさんに頼まれて、こちらに来たんですよね?ウォイドさんは、忙しいのですか?」
「…はい。ちょっと不測の事態が起こりまして───夜の公演に間に合わせようと奔走しているはずです」
「そうですか。では、エルは?」
「エルは、今日も主役を務める予定ですから、この2ヵ月続けている公演なのでリハーサルも必要ないですし、上演までは休んでいるはずです」


◇◇◇


「レムト、無
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