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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#9
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言うことも尤もだった。
だけど───ダズロの勘がそう告げていた。ダズロは、自分の勘を信じている。何度も死地を切り抜ける切っ掛けとなった自分の勘を────
それに───ウォレムには、そんなことを仕出かしそうな動機もあった。ジェミナ皇妃のせいで、たった一人の弟を亡くしているのだ。
「ウォレムが主犯とは限らない。もしかしたら────手を貸す程度かもしれないし、何か知っている程度かもしれない。だが────おそらく、ウォレムは関わっている」
ダズロがなおも言うと、セロムは深く溜息を吐いた。
「解ったよ。お前が、そんな風に頑固になるときは───大抵、その通りになる。ジェスレム皇子とガラマゼラ伯爵の周辺を探ってみよう」
「頼む」
セロムがその真剣な目を、ダズロに再び向ける。
「ダズロ────お前の勘が当たったときは…、友人を一人失うことになる。覚悟をしておけ」
「ああ…、解っている」
セロムの───幼い頃からの親友の自分を心配するその言葉に、ダズロは内心感謝しながら頷いた。
「それにしても────すごいタイミングだ。ファルロが話を持って来たのが、今日でなければ…、ウォレムに感じた違和感など忘れてしまって───結びつかなかったかもしれない」
「そうだな」
ダズロには、ファルロがリゼラに会ったことからして────何処か運命めいたものに感じる。
「リゼラは…、ルガレド殿下に大事にされているようだ」
「そうか。良かったな」
「ファルロのように────謝罪したら…、リゼラは」
俺を受け入れてくれると思うか、と続けようとして────あまりに虫が良すぎると思い、ダズロは言葉を呑み込む。
セロムは、ダズロの気持ちはお見通しのようで、ダズロの肩を軽く叩いて言った。
「殿下が辞令を受けて移動する前にでも、会いに行けばいい」
「そうだな…」
許してもらえなくても、受け入れてもらえなくても…、一度でいい───リゼラとちゃんと話したい。
この件が解決したら、必ずリゼラに会いに行こうと、ダズロは心に決めた。
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