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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#8
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レミラの妹と反目していた令嬢が、ただレミラの妹を貶めるためだけにレミラを持ち上げ、噂を作り上げただけだった。
レミラの妹は、伯爵である両親に甘やかされて育ち、伯爵令嬢とは思えないほど無知で無教養だったらしい。
レミラは、言葉遣いを習っていなかったせいもあって口数も少なく、簡素なドレスを着せられていたため───無教養で派手なドレスと装身具に身を包んだ妹と比べられることによって、相対的に良く捉えられ、噂通りに見えてしまっただけのようだった。
レミラの妹と反目していたその令嬢が、それなりの権力を持つ貴族家の息女だったことも大きいようだ。
使用人のような生活を余儀なくされていたレミラが、マナーと教養を磨き上げたという事実は見当たらなかった。
言葉遣いやマナーに関しては、ダズロの父が存命のうちに公爵家で学ばせたとのことだ。
ダズロの父は、レミラの胆力を買ったのではなく────単に、レミラの置かれている状況に同情しただけだと、父の元側近で今は隠居しているセロムの実父から、つい先日教えられた。
そういうことは、事前に夫となる自分にも教えておいて欲しかったとは思うが────もっとレミラときちんと接していれば感じ取れたことだろうし、忙しいとはいえ交流を持とうとしなかった自分が悪いのだということも解っていた。
正直、レミラのことは、どう接すればよいのか───この先どうすればよいのか────ダズロには見当もつかない。
加えて───ファミラのこともある。
「まだ辞令が下されていないうちから、これだ。辞令が下され───ジェスレム皇子が世間と関わることになったときのことを考えると、気が重い…」
不幸中の幸いだったのは、ファミラが同じような性質であるはずのジェスレム皇子から反感を買ったことだ。
ファミラがジェスレム皇子を増長させるかもしれない────と恐れていたが、意外にも上手く抑止となってくれるかもしれないと、一瞬、浅はかな希望的観測が過ってしまった。
そんなに上手くいくはずがない────とダズロは思い直す。
「ファミラは、ジェスレム皇子から反感を買ってしまったようだ。おそらく────ジェスレム皇子に気に入られようと…、何か仕出かす可能性が高い」
ファミラのこれまでの言動から推測する限り、そうなる可能性の方が高い。
「そうか…」
「すまんな、ウォレム。これから、迷惑をかけることになるかもしれない」
ファミラの行動によっては、イルノラド公爵家は零落を免れない。
ビゲラブナ伯爵は───ベイラリオ侯爵家は、嬉々としてダズロを今の地位から引き摺り下ろし、自分たちに都合のいい輩をその後釜に据えるだろう。
そうなれば────すべての負担がウォレム
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