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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#7
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で兜脱がないで良かった。顔赤くなってるところなんか見られたら────考えるだけで怖っ!」
「赤くなってたのか」
「そりゃなるだろ!あんな笑顔向けられてみろよ、赤くなるに決まってんだろ!」
「へえ…、硬派気取ってるお前がなぁ」
「ほっとけよ!」

 まあ───セグルの気持ちも解らないでもない。

 ファルロは、リゼラに対して───公爵家を出る以前は嫌悪感しかなく、公爵家を出てからは罪悪感ばかりが募っていた。

 だが、それが消えた状態で接したら────リゼラのあの照れ隠しの表情は、ぐっと来た。

 特に───愛称で呼ぶことを許してくれたときの仕種や表情は、思わずにやけてしまわずにいられないくらいで────ルガレド殿下に凍てついた眼で睨まれてしまったほどだ。

 あのときのルガレドの眼差しは────ある程度の殺気や威圧感には耐性があるはずのファルロでも肝が冷えた。


「だけど────良かったな」
「…ああ」

 セグルの言葉に、ファルロは喜びを噛み締めながら────頷いた。


 ファルロ率いる小隊は、約1ヵ月後の辞令式に出席するべく、三日前にこの皇都に戻って来たばかりだった。

 移動疲れを癒すために昨日は休息をとり、今日は演習のために皇都周辺の森へと出向いた。

 まさか、魔獣3頭と出くわして────リゼラと再会できるとは思いも寄らなかった。

 いずれ、折を見て会いに行きたいとは考えていたが────ルガレドの今日の様子を見るに、普通に面会を申し込んでも取り次いではもらえなかったかもしれない。

 今日、会えことは────非常に運が良かったとしか思えない。


「それにしても────今日の魔獣…、あれは異常だったな」

 セグルが、打って変わって難しい表情で呟く。

「ああ…」

 通常なら、魔獣同士は殺し合い───単独でしか行動しないので、同時に複数の魔獣を相手にすることなどありえない。

 それなのに───今日の魔獣は連れ立っているどころか、互いに連携しているような動きだった。

 ファルロは、何だか嫌なものを感じ────寒気を覚える。

「念のため、殿下のことは伏せて、報告しておくか」

 ルガレドとリゼラに───今日、二人と会ったことは内密にすると約束している。

 それに───ルガレドの名を出せば、余計に上は取り合ってくれなさそうだ。まあ、ルガレドの名を出さなかったところで、取り合ってくれる可能性は低いだろうが。

 それから───ジェスレムが狙われているかもしれないという、リゼラの警告。調べてみると言ったものの、どうしたものか。


「…父上は、今、皇都に帰って来ているんだったよな?」
「ああ」
「宿舎に一度戻ってから────イルノ
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