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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#7
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───結局のところ、それだけでしたし…。
きっと────公爵夫人や公女のことは、ファルお兄様のようには許すことはできないと思います…」
それ以前に、あの二人が────ファルお兄様のように、自分の言動を省みて、私に謝罪することなどありそうもない。
「そうか…」
私は隣を歩くレド様の手を、そっと握る。
「でも────私のために怒ってくれて…、ありがとうございます、レド様」
「そんなこと、当然だろう?」
私の手を優しく握り返し、事も無げにそう言ってくれるレド様のお気持ちが嬉しくて────私は笑みを零した。
「それにしても…、神託の件は驚いたな。リゼといると、本当に────何と言うか…、世界が変わるような気がする」
「大袈裟ですよ」
「そんなことはない。自分の存在のことも───神やエルフ、精霊のことだって────何もかも…、2ヵ月前の俺には想像もつかないことばかりだ」
レド様は足を止めて、つられて足を止めた私に向かい合うと───額を合わせて楽しそうに言う。
「この世界には…、驚くことがたくさんありますね」
「ああ、本当に」
私がしみじみ呟くと、レド様は笑みを浮かべて頷いた。
「これからも、まだまだ驚くことがありそうだな」
「ふふ…、そうですね」
私たちは額をくっつけたまま────共に過ごすだろう未来を思って、笑い合った。
※※※
ルガレドとリゼラが視界から消えると────ファルロの騎士仲間で補佐官でもある、セグル=アス・オ・ノラディスは兜を脱いだ。
「っはー…、疲れた」
「すまなかったな」
「まったくだよ。あー…、兜脱がないでおいて正解だった」
イルノラド公爵の側近で、父であるセロム=アン・ノラディスから、イルノラド公爵家の事情を知らされているセグルは───セロムにそっくりな自分の顔を見るのは、リゼラには不快かもしれないと思い、兜を脱がなかったのだが────
「何だよ、あれ。何処が────“出来損ない”だよ。強過ぎだし、賢過ぎだし───おまけに、何あの美貌。お前らイルノラド公爵家の連中は、マジで目が節穴過ぎだろ」
セグルの言動は主家に対するには無礼で───本来ならばファルロは咎めるべきなのかもしれない。
だけど、セグルはファルロの側近になる予定ではあるが、まだイルノラド公爵家に仕えているわけではないので、ファルロは放っておいている。
「はは、本当にそうだな」
「殿下の態度見たか?ありゃ、マジでお前の妹に惚れてんな。笑顔向けられたとき思わず見惚れちまったら────何あの殺気。すっげぇ怖かった。おまけに、あれ────殿下の“影”か?殿下と一緒になって殺気放ってるし。本気で死ぬかと思ったわ。あー…、マジ
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