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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#7
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イルノラド公女の剣術の訓練をこっそり覗き見ていたことがあるんです」
「…そんなことをしていたのか?全然、気づかなかった」
「ふふ、貴方の指南役であるランドさんは気づいていましたけどね」
「そうなのか…」
目を丸くするファルロにまた笑みを零してから、私は話を戻す。
「イルノラド公女の訓練を見ていて────少なくとも剣術に関しては…、“剣姫”と呼ばれるに相応しい才覚があるとは、私には思えませんでした」
アーシャに剣術を教えたときとは、比べるべくもない。
アーシャは───覚えも良く、センスがあるせいか教えられずとも手合わせするだけで、自分の技量とすることができた。
ああいうのを────“天才”と呼ぶのだと思う。
「それに、イルノラド公女は、教えを受けてもあまり学ぼうという姿勢は感じられませんでした。それなのに、手合わせで指南役に勝てないと───勝てないのは当たり前なのに…、癇癪を起こして毎回中座して───指南役を
挿
(
す
)
げ替える。その繰り返しでした。
学ぶものが何もなくて、私は途中で覗き見ることはやめてしまいましたけど────もし、あの後もあんな状況を続けていたのなら…、流派など鑑みずに手当たり次第に指南役を雇っているようでしたし───あれでは、剣術を極めるどころか────基本を修められたかもあやしいです」
「俺が知る限りでも、そんな状態だった。おそらく、お前の言う通り…、基本すら危ういと思う」
ファルロはそう言った後で────表情を陰らせた。
「イルノラド公女が…、心配なのですか?」
「……ファミラには────俺は、見下されていた。お前ほどではないにしても…、嫌な言葉も言われた。でも────それでも、ファミラは…、俺にとってはお前と同じ────妹だ」
ファルロの場合とは違い───イルノラド公女の場合は、あの夜会でのこともある。私は、正直────あの人を助ける気にはならない。
だけど────警告するくらいはしてもいいだろう。
レド様に許可をもらうべく視線で伺うと、私の考えていることを察して頷いてくれた。
「それならば────気を付けた方がいい。ジェスレム皇子が狙われている可能性があります」
今朝の私の推測が正しいならば────ディルカリド伯爵たちが狙うのは…、当然、ジェスレム皇子のはずだ。
「…どういうことだ?」
ファルロの顔色が変わる。
「私たちも、まだ詳細を掴めたわけではありませんので、詳しくは語れません。ですが…、ジェスレム皇子が狙われている兆候があるんです。イルノラド公女が心配なら────警戒しておいた方がいいと思います」
「解った。教えてくれて感謝する。俺の方でも───調べてみる」
◇◇◇
「ルガレド
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