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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#7
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、ずっと続けられてきた習慣だ。魔術で、“才能”を読み取っている可能性もあるのではないか?あれが───その者の“才能”ではないと、何故言い切れる?」
ファルロの問いは尤もだけど────私は、何だかおかしくなって、思わず笑みを零した。
ファルロが眼を見開き───後ろに控える騎士が身じろぐ。
「ふふ…。先程───貴方が、ご自分で仰っていたではないですか。そちらの騎士様は、受けた神託が“木こり”であったにも関わらず、自分よりも武芸に才覚があるのだ───と」
「あ…!」
「そもそも…、“才能”とは────何を以てして言うのですか?神だとしても、魔術だとしても────何を以て…、その人の“才能”を見極めるのですか?
確かに、人には向き不向きがあり────天才と呼ばれるに相応しい才覚を持つ者はいます。ですが…、大抵の人は、そんな明確に断言できるような“才能”を持っているとは────私には思えません」
「………」
「人が何かを為すには────結局のところ…、生まれ落ちた環境や生活する環境が大きく影響し────本人が努力できるかどうかなのだと…、私は思います」
私がそう答えると────ファルロは私の言葉を噛み締めるように、瞼を閉じる。
そして───再び瞼を開けたときには、憑き物が落ちたような───晴れやかな表情を浮かべた。
「そうだな…。お前の言う通りだ。俺も───そう思う。騎士となって吹っ切れたとばかり思っていたが…、やはり俺は心の何処かで、神託のことを気にしていたみたいだ。だけど───これで、やっと…、神託のことなど関係ないと心から思える。俺の先行きは────俺の努力次第なのだ、と」
ファルロは、嬉しそうに───子供のように笑みを零した。
幼い頃───まだお互い神託を受けておらず、屈託なく笑い合えたあの頃と同じ笑みを────
「お前にとっては迷惑だったかもしれないが────今日、お前と話ができて…、本当に良かった」
「……別に迷惑ではありませんよ。私も────貴方とお話しできたことは、良かったと思っています」
何となく面と向かって言うのが気恥ずかしくて、心持ち目線を逸らし、そう返答すると────ファルロは、もっと嬉しそうに笑みを深めた。
しばらくファルロは嬉しそうにしていたが、不意に笑みを消した。
「だが────そうなると…、ファミラは────」
ファルロの呟きに、応えるべく私は再び口を開く。
「……危ういでしょうね。正直、あの人は────私が見た限りでは…、“イルノラド公爵夫人が思い描くような才覚”は持っていない」
「やはり────お前も…、そう思うのか」
「ええ。以前、この国の貴族が扱う剣術が見てみたくて、庭に潜んで、貴方と
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