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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#5
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者たちも、手伝った報酬をもらうためにギルドに戻り始める。

 荷馬車と辺りを確認し終えたガレスさんが、レド様と私のところへやって来た。

「リゼ、アレド、最後まで手伝ってもらって悪かったな」
「いや、いい経験になった」

 ガレスさんの言葉に、レド様が首を横に振って応える。

「だが────リゼは疲れているんじゃないか?」

 ガレスさんが心配そうに私を見た。私が言葉少なだから、心配させてしまったようだ。

「いえ、そんなことはないですよ」

 私が慌てて否定すると、ガレスさんは眉を寄せた。

「もしかして────今日の魔獣のことを考えていたのか?」

 ガレスさんは魔獣の異常な行動を聞き及んでいるのだろう。

 それ以前に───魔獣が殺し合うことなく、複数で人間を襲ったこと自体からして異常なのだ。ガレスさんが、疑問を持たないはずがない。

「バドたちには悪いが、魔獣の解体を急がせようと思っている。二人とも、明日、ギルドの方へ来てくれないか。この件について検証したい。
特にリゼ────お前さんの意見が聴きたいんだ」

 何もなくてもギルドには行くつもりだったけど、私はレド様に視線で問う。
 レド様が頷いてくれたので────私はガレスさんに視線を戻した。

「解りました。明日、必ず伺います」

 バドさんの解体の結果を早くに聴けるのは、こちらとしても願ったりだ。バドさんなら、何か見つけてくれるかもしれない。

「今日は、本当にご苦労だった。魔獣討伐、その後の手伝いの報酬はまとめて渡すから、今日はこのまま帰ってゆっくり休んでくれ」
「ありがとうございます。それでは、また明日に」

 ガレスさんは頷くと、荷馬車に乗り込む。私たちの目の前で、荷馬車は城壁に向かって緩やかに動き出した。他の冒険者たちは、もう一人も残っていない。



 ガレスさんが荷馬車と共に去ると───その場には、レド様と私、姿をくらませたジグとレナス、そして────“デノンの騎士”たちだけとなった。

 これまで端の方で存在を消していた“デノンの騎士”たちは、レド様の前で扇状に展開し、一斉に片膝をついた。

 彼らに敵意や害意は感じられなかったので───私はレド様に並び立っていた位置から半歩後退り、レド様の斜め後ろに控える。ジグとレナスも、【認識妨害(ジャミング)】を解かないまま、レド様の後ろに控えている。

 まだ明るい時分のため、誰かにこの光景を目撃されたりしないように、秘かに【結界】を張った。騎士の誰にも気づいた様子はなかった。

「ルガレド皇子殿下と、親衛騎士───ファルリエム子爵とお見受けします」

 隊長らしき、先頭の騎士が代表して話し出す。兜を着けているため、声はくぐもっている。

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