暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#4
[4/6]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
「北門近くの街道か?」
「ああ!」
「仲間と護衛がそこにいるんだな?」
「そうだ!」
身なりはそれなりで───仲間がいて、護衛もいる。
おそらく、この青年は商隊の一員だろう。
レド様と視線を交わし、足早に人だかりを抜け出して、ガレスさんとその青年の傍まで行く。ガレスさんが、近づく私とレド様に気づいた。
「リゼ!アレド!」
「私たちが行きます。魔獣の詳細を教えてください」
私が言うと、青年は驚いたらしく眼を見開いたが、時間が惜しいのだろう。すぐに答える。
「オーガ2頭と、ブラッディベアだ。巨大化と変貌をしている」
「解りました。────アレド、行きましょう」
「ああ」
レド様と共に、踵を返す。言うまでもなく、姿をくらませたジグとレナスが、私たちの後ろをついて来る。
「オレたちも後から向かう!頼んだ!」
背中にガレスさんの声が投げかけられたが、私たちは返事をすることも振り返ることもなく、ギルドを飛び出した。
前回のとき同様───人通りが途切れた瞬間を狙って、【
認識妨害
(
ジャミング
)
】を発動させる。
「北門の外まで一気に跳びます。ジグ、レナス、念のため、【
認識妨害
(
ジャミング
)
】を腕時計のものに切り替えておいて」
「「御意」」
皇都を囲う石造りの城壁に設けられた門は───朝に開門し、夕方に閉門する。兵士は一応詰めてはいるが、日中、門は開いたままで出入りを取り締まってはいない。だから、わざわざ
潜
(
くぐ
)
る意味はない。
行き先を北門を出たところにある街道沿いの小さな雑木林に定め───私は【
転移
(
テレポーテーション
)
】を発動した。
◇◇◇
「あれか…!」
雑木林に跳ぶと、目論見通り周囲に誰もおらず、誰に見咎められることなく【
認識妨害
(
ジャミング
)
】を解除する。
街道に出ると、遠目に───2頭のオーガと、ブラッディベアの姿が目に入り、レド様が叫んだ。
誰からともなく駆け出し、奔りながら、私は【
心眼
(
インサイト・アイズ
)
】と【
把握
(
グラスプ
)
】を発動させるとノルンに呼びかける。
「ノルン!分析結果をレド様たちにも共有して!」
───はい、
主
(
マスター
)
リゼラ!───
【
心眼
(
インサイト・アイズ
)
】で視る限り、またもやというべきか───今度の魔獣も、魔獣化して変貌している割に内包する魔力が少ない。
どの個体も大したことはないし、複数相手ではあるが今日はレド様がいるので、そこまでの脅威ではない。
だけど───やはり、ネックなのは人目だ。
そこには、商人らしき集団、その護衛らしき集団───そして…、護衛とは別に鎧を着込んだ集団がいた。鎧の胸当て部分に、レーウェンエル
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ