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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#4
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「北門近くの街道か?」
「ああ!」
「仲間と護衛がそこにいるんだな?」
「そうだ!」

 身なりはそれなりで───仲間がいて、護衛もいる。
 おそらく、この青年は商隊の一員だろう。

 レド様と視線を交わし、足早に人だかりを抜け出して、ガレスさんとその青年の傍まで行く。ガレスさんが、近づく私とレド様に気づいた。

「リゼ!アレド!」
「私たちが行きます。魔獣の詳細を教えてください」

 私が言うと、青年は驚いたらしく眼を見開いたが、時間が惜しいのだろう。すぐに答える。

「オーガ2頭と、ブラッディベアだ。巨大化と変貌をしている」
「解りました。────アレド、行きましょう」
「ああ」

 レド様と共に、踵を返す。言うまでもなく、姿をくらませたジグとレナスが、私たちの後ろをついて来る。

「オレたちも後から向かう!頼んだ!」

 背中にガレスさんの声が投げかけられたが、私たちは返事をすることも振り返ることもなく、ギルドを飛び出した。

 前回のとき同様───人通りが途切れた瞬間を狙って、【認識妨害(ジャミング)】を発動させる。

「北門の外まで一気に跳びます。ジグ、レナス、念のため、【認識妨害(ジャミング)】を腕時計のものに切り替えておいて」
「「御意」」

 皇都を囲う石造りの城壁に設けられた門は───朝に開門し、夕方に閉門する。兵士は一応詰めてはいるが、日中、門は開いたままで出入りを取り締まってはいない。だから、わざわざ(くぐ)る意味はない。


 行き先を北門を出たところにある街道沿いの小さな雑木林に定め───私は【転移(テレポーテーション)】を発動した。


◇◇◇


「あれか…!」

 雑木林に跳ぶと、目論見通り周囲に誰もおらず、誰に見咎められることなく【認識妨害(ジャミング)】を解除する。

 街道に出ると、遠目に───2頭のオーガと、ブラッディベアの姿が目に入り、レド様が叫んだ。

 誰からともなく駆け出し、奔りながら、私は【心眼(インサイト・アイズ)】と【把握(グラスプ)】を発動させるとノルンに呼びかける。

「ノルン!分析結果をレド様たちにも共有して!」

───はい、(マスター)リゼラ!───

 【心眼(インサイト・アイズ)】で視る限り、またもやというべきか───今度の魔獣も、魔獣化して変貌している割に内包する魔力が少ない。

 どの個体も大したことはないし、複数相手ではあるが今日はレド様がいるので、そこまでの脅威ではない。

 だけど───やはり、ネックなのは人目だ。

 そこには、商人らしき集団、その護衛らしき集団───そして…、護衛とは別に鎧を着込んだ集団がいた。鎧の胸当て部分に、レーウェンエル
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