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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#4
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あ、いつものことなんだけど。
今日はレド様も一緒だし、余計に声をかけづらいのかもしれない。
依頼の清算や獲物を預けたい───あるいは午後にこなす依頼を受けたい冒険者で、カウンターはごった返している。
セラさんだけでなく、二人の受付嬢が入っているが手が足りておらず、ガレスさんもカウンターに入って処理を手伝っていた。
「もうちょっと人が少なくなるまで、あちらで待っていましょうか」
「ああ、そうしよう」
別に依頼を受ける気はなかったが、レド様と二人で、暇つぶしに依頼書が貼り付けてあるボードへと向かう。
冒険者は識字率が低く、大抵の冒険者は受付で依頼を紹介してもらうので、これだけ人がいるのにボードの前は空いていた。
「へえ、色々な依頼があるんだな」
ランクを飛ばして冒険者となったレド様は、実力を伴っていない低ランカーが引き受けるような雑用をした経験がない。討伐以外の依頼が珍しいようで、依頼書を興味深げに眺めている。
「荷物運びと子守は解るが────買い物?」
「その依頼主は、足をケガしているみたいですよ。軽いケガなら、施療院にかかるよりは、治るまで買い物を頼む方が安く済みますから」
「なるほど。こっちは────草刈り?」
「依頼主はご老人らしいですね。自宅の裏に広がる雑木林の手入れをして欲しいようですよ」
「『庭に面した箇所にかぶれる草が生えていて、困っている』───それは困るな。それにしても…、皇都の中なのに、何故、雑木林があるんだろうな?」
「確かに。孤児院の裏にもありますし、どういった経緯で存在しているのでしょうね」
そういえば、孤児院の裏のあの雑木林────何だかんだと忙しく、まだ手入れができていない。時間を見て、やっておかないと。
ここ数日ほど会いに行けていないから、白炎様にもお会いしたいし。
そんなことを考えていたときだった────
ギルドの扉が大きな音を立てて勢いよく開き、青年が一人駈け込んで来た。
「お、お願いだ、助けてくれ!魔獣が出た…!」
青年はフードつきのマントを着込んでいて────いかにも旅装という出で立ちだ。
ガレスさんがすぐさま、カウンターから出て、青年の許へ駆け寄る。
「魔獣が出たのは、何処だ?」
「北門の近くだ。もうすぐ皇都というところで、3頭の魔獣に襲われた」
「魔獣が────3頭も?」
通常、魔獣は魔獣化に伴って理性を失っているので、群れることはあり得ない。大抵の魔獣は出合い頭に殺し合う。
それなのに────連れ立って、人を襲った…?
「と、とにかく、助けに向かってくれ!仲間が取り残されているんだ!護衛が戦っているが───魔獣を3頭も抑え切れるはずがない…!」
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