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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#4
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、誰もいない。
「こちらに、オーガが数頭、点在していますね。寄り集まって集落を造る可能性がありますので、今日はこちらを叩いておくことにしましょう」
「こっち側にいるオークやオーガはいいのか?」
「はい、そちらは残しておきます。コカトリスやオーク、それにオーガは食肉として需要がありますから、私たち冒険者は、魔獣は危険なので必ず狩りますが、魔物はなるべく狩り尽くさないようにしているのです。特に、私たちは今、魔物と魔獣の肉を必要としていて、買取をしてもらっていません。それなのに全部狩ってしまいますと、皇都民に食肉が行き渡らなくなってしまいます」
魔素が極端に少なくて魔物があまり生息していないフィルト王国を除いて、この大陸では、魔物や魔獣の肉を食肉としている。魔物や魔獣の肉には魔素が多分に含まれているせいか、味や栄養価が格段にいいのだ。
だから、鶏や牛、豚なども存在してはいるが食肉として利用されることはなく、鶏は卵を生ませるため、牛は乳牛として飼われているのみである。
そういった事情で───集落を形成しての魔物の繁殖は危険なため阻止するようにしているが、はぐれが交配する分は放っておくというのが、暗黙の了解となっている。
私がそう説明すると、レド様は納得したように呟く。
「なるほど。それで───魔物を討伐することを“間引き”と言うのか」
ちなみに、内包する魔力量のせいなのか魔獣より魔物の方が劣化が早い。そのため、獲物が複数持ち込まれた場合、解体は魔物が優先される。
ブラッディベアの変異種の解体が遅れたのは、二日前の集落潰しで持ち込まれた魔物が優先されたためだ。
それに、ブラッディベアの肉は食べることはできるみたいだが、この国では熊肉を食べる習慣がないので、余計に後回しにされたという経緯がある。
オーガの討伐は、難なく終わった。魔獣化しているならまだしも、ただの魔物───しかも、単体では、レド様の敵になるはずもない。
すべてレド様が狩ったので、バドさんに選り分けてもらう必要もないため、解体まで済ませた。
レド様は自分で【解体】を施すのも楽しいらしく、ご機嫌だ。
「解体まで終わっているのに、あまり早くギルドに戻るのは不自然ですので、少し早いですが、ここで昼食を食べてしまいましょうか」
「そうだな」
「そうしましょう」
レナスも追従し、ジグも頷いた。
◇◇◇
ギルドに戻ると、室内は、一旦戻って来た冒険者たちで賑わっていた。
私たちと違って、街が近いのに、戻らずに危険な森の中で昼食をとろうとする冒険者は少ない。
ちらほらと見知った顔が見えたが、視線は感じるものの───悲しいことに、私に声をかけてくれる人はいなかった。ま
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