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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#3
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 あれ、何で私ではなく、ジグに訊くんだろう?

「…信者になったのは確実かと」

 はい?信者って何?一体、ジグは何の話をしているの?

「そうか。ジグ、レナス────注意しておけ」
「「御意」」

 ジグの意味の解らない答えを、レド様は理解しているようで普通に頷き、ジグとレナスに指示を出す。レナスも、ちゃんと理解しているようだ。
 私って、自分で思っているよりも、理解能力がないのかもしれない…。


「しかし、この───魔素が均等に凝固した魔石、だったか。これは、稀なものなんだろう?よく手に入れられたな」

 レド様は、レア度Aとやらの魔石を手に取り、感心したように言う。

「今回は、私ではなく、アーシャのお手柄です。これは───先の集落潰しで、アーシャが討伐した魔物の魔石なんです」
「そうなのか?」
「はい。ちょっと前に創って渡した腕時計と武具、それにその集落潰しのときにあげた懐中時計のお礼にと───自分の討伐分の魔石を全部、私に譲ってくれたんです。これは、そのうちの一つなんです」

 あのときのアーシャの気持ちが嬉しかったことを思い出して、ちょっとほっこりとした私は笑みを零す。

「そうだったのか…。ラムルの言う通り、リゼは、本当に───引き寄せる」
「そうですね」
「本当に」

 レド様がしみじみ呟き、ジグとレナスが頷いたけれど────あれ、今回引き寄せたのは、アーシャでは?


◇◇◇


「それにしても────リゼの分析は、俺の【解析(アナライズ)】に比べ、随分詳しく解るんだな」
「ええ。霊視能力を使っての解析なので、より詳しく分析できるようです。ただ、その分だけ魔力は使いますが」

 表面だけでなく、奥底まで深く分析しようとすればするほど、魔力が必要になる。

「ほう…、魔力を」

 レド様の声音が低くなったことに気づいて、私は慌てて言葉を付け加えた。

「魔力を使うと言っても、固有魔力を使い果たすほどではありませんよ?」

 レド様はにっこり笑って、ノルンへと顔を向ける。

「ノルン───リゼは、今、魔石を幾つ所有している?」
「はい、(マスター)ルガレド。(マスター)リゼラの魔石所有量は、92個です」

 先日の集落潰しの分が、40個プラス12個。それに、ブラッディベアの変異種の1個。

 残りは、ここ最近の狩りで手に入れたもので───いつの間にか、凄い数になってしまっていた。

「それは、いつ───分析した?」
「昨日の夜です。昨日、ブラッディベアの変異種の魔石を持ち帰ったので、夜に魔石の分析をしました」

 ギルドに持ち込まれた獲物が多く、解体が遅れたため、ブラッディベアの報酬の受け渡しが昨日となってしまったの
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